欧州における商用液化水素サプライチェーン構築に向けて
川崎重工業株式会社(本社:東京都港区、以下 川崎重工)とEcoLog社(本社:ギリシャ共和国)は、オランダ・ロッテルダムで開催された国際見本市「World Hydrogen Summit & Exhibition」において、液化水素サプライチェーンの中流領域(海上輸送・ターミナル・船陸整合等)における戦略的提携に関する覚書を締結しました。
本覚書は、Ecolog社がオランダ・アムステルダム港で開発を進めている液化水素回廊構想において、海上輸送・ターミナル・船陸整合等を川崎重工の製品・技術でより具体化し、オマーンやサウジアラビア、スペイン、ブラジルなどから、地政学的リスクを回避する多様なルートを通じて、オランダをはじめとする欧州の需要地に向けた安全かつ安定的な水素供給を実現します。
これにより、欧州のエネルギー安全保障に寄与するとともに、トラック輸送などのモビリティ分野や、昨今のAI の急速な普及に伴って拡大するデータセンターおよびデジタルインフラなどの幅広い産業分野における液化水素の利用の促進・拡大を支えてまいります。
オランダ・アムステルダムに入港する液化水素運搬船のイメージ図※
本覚書において、川崎重工は、液化水素運搬船や出荷・受入ターミナル、船陸整合など、これらの設計・製造およびその運用の知見を提供します。EcoLog社は、LNGで培った極低温貨物輸送の知見を活かし、将来的な液化水素運搬船および受入ターミナルのオーナー兼オペレーターとして、液化水素の供給と需要を結びます。
両社は、お互いの強みを融合し、オランダやドイツをはじめとする欧州に向けた液化水素サプライチェーンの実現を加速させ、世界の脱炭素化とエネルギー安全保障に貢献してまいります。
写真前列左より(敬称略)
川崎重工業株式会社 常務執行役員 松田 義基
EcoLog Ltd. CEO エレン・ルホタス
写真後列左より(敬称略)
経済産業省 資源エネルギー 政策統括調整官 木原 晋
オランダ国王陛下 ウィレム=アレクサンダー国王
オランダ経済気候政策省 気候政策グリーン成長担当大臣 スティンチェ・ファン・フェルトホーフェン
ロッテルダム市長 カローラ・スハウテン
南ホラント州 国王代表 バウテル・コルフ
<各社コメント>
EcoLog
液化水素は、直接的なエネルギー源であると同時に輸送媒体としての特性を併せ持つことから、市場の機運は着実に高まっています。その大規模な普及が実現すれば、欧州およびアジアのエネルギー安全保障を支える新たな柱となるでしょう。液化水素サプライチェーンにおける中流領域は、その実現において極めて重要な要素です。
川崎重工は、液化水素の輸送および貯蔵分野で達成してきた数々の実績が示す通り、独自の技術力と遂行能力を有しています。また、世界の液化水素開発をリードする川崎重工とEcoLogの両社が連携し、水素の製造からオフテイクまでを結ぶ、強固且つ効率的でコスト競争力のあるバリューチェーンの構築に取り組むことを大変嬉しく思います。
EcoLog Ltd. CEO エレン・ルホタス
川崎重工
国際情勢の変化を背景に、エネルギー安全保障と安定供給の重要性はさらに高まっており、我々がこれまで長年取り組んできた水素はそれらの課題を解決する有効な選択肢として期待されています。
EcoLog社は、アムステルダム港向けの具体的な液化水素サプライチェーン構築プロジェクトを推進していることに加え、LNG運搬船における極低温貨物輸送の運用知見も有しており、液化水素の海上輸送を含むサプライチェーン全体の具体化を進めるうえで非常に重要なパートナーです。本提携を通じて両社で中流領域の具体的なソリューション検討を加速し、欧州をはじめ各地域の水素需要と供給を確実につなぐことで、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献してまいります。
川崎重工業株式会社 常務執行役員 松田 義基
※イメージ図であり、実際のプロジェクトにおける船舶やターミナルの位置を示すものではございません。
以 上