大学通信から中学・高校のニュースリリースをお送りします。
明星小学校(東京都府中市)では、2020年度の小学校プログラミング教育必修化に先駆け、明星大学 情報学部 山中脩也 准教授、同大学 教育学部 北島茂樹 准教授との連携事業による「放課後プログラミング講座」(全10回)を、2018年10月より翌年1月まで、高学年(5・6年生)の希望者を対象に行っています。
この講座は、オリジナルの教材と社会で広く利用されているProcessingやPythonなどのプログラミング言語を使ってプログラミングの初歩を学んでいくワークショップ型の演習で、学習科学を基礎とする「コンピュータとの対話」を強く意識した学習内容が特徴的な講座となっています。
本事業を推進する明星小学校のプログラミング教育担当 丸山農 教諭は、2020年度の小学校プログラミング教育必修化を背景として、同小学校で行うプログラミング教育のカリキュラム構築を担っています。さまざまな先駆的な他校の事例を参照する中、「現在広く利用されているプログラミング教材では、児童がブロックを操作し、エラーメッセージの出ない環境を使うことが多いが、この方法では児童自らがエラーに気づき、解決するという基本的なプログラミング活動を学ぶことが難しい」という考えに至りました。
本講座は、この問題を解決するため、明星大学 山中准教授が行っている小中学生を対象にした独自のプログラミング基礎講座に着目したことから始まりました。山中准教授は同大学 教育学部 北島准教授と兼ねてから小中高大でのプログラミング教育に関する研究を続けており、今回の明星小学校の話がマッチする形となりました。
山中准教授らは「プログラミングはコンピュータとの対話である」というポリシーの下、社会で広く利用されているProcessingやPythonを用いて本講座を行っています。参加した児童は、自分自身でプログラミングコードの入力を行う必要があるため、当初、その作業に戸惑いを示しているように見えました。そんな児童に対して山中准教授は「失敗していいからね!たくさん失敗しよう!」と呼びかけ、さらに「コンピュータの中には先生がいて、失敗すると間違えた所を教えてくれるよ」と続けます。「コードの入力をする際、間違えたとしても、エラーの箇所をコンピュータの中の先生に教えてもらい、その間違いに気付けば、どうして間違えたのかを検証することができ、それを修正して、改めてコードの入力をすることができます。もし失敗したとしても、この『コンピュータとの対話』を繰り返すうちに、だんだんコードが書けるようになる。だから失敗を多く体験した方がスキルを身につけやすくなります」と同准教授は話します。「失敗しても大丈夫だよ!」と何度も呼びかけられることで、児童はこの講座に参加するうちに、失敗を恐れず自分の力で前に進むことができるようになってきています。
丸山教諭は「明星小学校では2020年のプログラミング教育必修化に向けて(1)プログラミング的思考を伸ばすリテラシー(仮説を立てて→動かす→問題を修正するプロセス)と、(2)プログラミングを楽しむ(より専門的なプログラミングの芽を育てる)という二本柱の学習目標を掲げ、今回のプログラミング教室では、(2)のプログラミング的思考力を身につけさせることを目的とし、さらに、来年中学校に進学する6年生など高学年を主な対象とすることで、この授業を上級学校へつなげる橋渡しの役割も担う授業としています。また、今回のような専門的なプログラミングの知識を習得する授業と、コードを書かず、楽しみながら学ぶプログラミング教材を使った授業のそれぞれ良い点を補完しあえる授業を目指していきたい」とも話しています。
■「明星小学校 放課後プログラミング講座」Play Programming !!!
※今後の授業は2019年1月10日(木)~31日(木)毎週木曜日 15:30~16:30開催予定。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人明星学苑 府中校教育支援室
TEL:042-368-5149
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/