京都産業大学ギャラリーにおいて、東アジア恠異学会※と共催で怪異学の視点から東アジアにおける吉兆と魔除けを紹介する特別展を開催。祇園祭の際に山鉾で販売される厄除けの粽(ちまき)をはじめ、吉兆と魔除けに関する34点の資料を展示している。会期は2021年4月14日(水)まで。
「怪異学」とは、不思議なコトやモノについて歴史や文学・民俗の記録を解読し、その認識を生み出した社会・文化の特質や人の心の軌跡を探る新しい学問である。今回の特別展では、祇園祭の際に山鉾で販売される厄除けの粽(ちまき)をはじめ、鼠除けのおまじないとして養蚕地帯を中心に広まった猫の絵「新田猫」や、吉兆として現れる霊妙な瑞獣である白沢を描いた「白沢之図」など、吉兆と魔除けに関する34点の資料を展示している。
自然災害や疫病などから受ける不安をはらうため、古来より人々が行ってきたさまざまな祈りや占いに触れることで、東アジアにおける思想や文化への理解を深める機会を提供する。
また2021年3月7日(日)に、「東アジア恠異学会20周年記念フォーラム 吉兆と魔除け」をオンライン配信で行った。
フォーラムでは、まず園田学園女子大学 大江篤教授(同会代表)が「東アジア恠異学会20年の歩み」と題して、学会立ち上げから研究内容、成果について解説。次に奈良大学 村上紀夫教授が「近世『髪切り』考-怪異のメディア論」と題して、「髪切り」という怪異を取り上げ、ストック型、フロー型という二つのメディアによって怪異が語られたことを明らかにした。また、小説家の京極夏彦氏は「怪異学で魔除けを扱うと云うこと」と題し、研究者ではなく小説家という立場から、村上教授のメディア論に触れつつ、怪異学のあり方について語った。
最後に村上教授と京極氏の論旨を踏まえて京都産業大学 久禮旦雄准教授司会のもと、講師による座談会が行われ、怪異学の展望を語り閉会した。
※東アジア恠異学会とは、古代では火山の噴火や地震、異常気象などの自然現象を指す場合が多かった「怪異」について、歴史的考察を行うことを目的とした研究会で、2001年に創立。正式名称に用いられる「恠異」は、「怪異」の異体字で意味上の違いはないが、古代や中世の文献では「恠異」の表記が多かったことなどから、この表記が用いられている。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
[関連リンク]
・特別展「東アジア恠異学会20周年記念展示 吉兆と魔除け --怪異学の視点から--」開催(2月24日~4月14日/会期延長)
https://www.kyoto-su.ac.jp/events/20210224_869_kaii.html
・特別展「東アジア恠異学会20周年記念展示 吉兆と魔除け」Web展示開催
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20210001_1_869_kaii_aisatsu.html
・京都産業大学ギャラリー
https://www.kyoto-su.ac.jp/facilities/musubiwaza/gallery/index.html
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