武庫川女子大学食物栄養科学部食創造科学科の有井研究室は、ナタマメ抽出液が温度により液化、ゲル化する性質を明らかにし、ナタマメ由来の新しい植物性ゲル化物質の製造に成功。武庫川女子大学を運営する武庫川学院が、白ナタマメ由来のゲルに関する特許を取得しました。このゲル化物質は、食品素材としてはもちろん、化粧品など食品以外の素材にも活用が期待されます。
ナタマメ(sword bean)は長軸比較で大豆の4倍もある大型の雑豆です。単位面積当たりの収穫量は大豆に匹敵し、古くは食糧として親しまれていました。
有井研究室では、白ナタマメの抽出液からゲル化物質を製造することに成功。ナタマメ由来のゲル化物質は常温で液体、10℃以下でゲル化し、65℃以上で融解する温度特性を持つことを明らかにしました。
寒天など食品に利用される既存のゲル化物質の多くは、高温で液体、常温でゲルになります。ナタマメ由来のゲル化物質は常温で液体として扱うことができ、冷蔵でゲル化させた後は常温に戻しても65℃までゲルの状態を保つため、調理や加工に利用しやすいのが特徴です。有井研究室では、この研究成果を日本の科学雑誌Bioscience, Biotechnology, and Biochemistryに掲載するとともに特許を申請。本内容で「ゲル化物質、ゾル化物質ならびにそれらの製造方法」(特許第6961216号)を取得しました。
本研究の一部は、武庫川女子大学の学生が卒業研究で実施した内容となっています。有井研究室の有井康博教授は「ゲル化物質の構造と性質を明らかにし、安心・安全に利用できるよう、さらに研究を進めます。実用化にはまだ課題がありますが、学生たちも頑張って研究に取り組んでいます」と話しています。
▼本件に関する問い合わせ先
武庫川女子大学広報室
住所:兵庫県西宮市池開町6-46
TEL:0798453533
メール:kohos@mukogawa-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/