◆北里大学獣医学部 動物飼育管理学研究室(青森県十和田市)と同大学発ベンチャーのライブストックジャパン合同会社(青森県十和田市)が、畜産現場で発生する温室効果ガスのメタンを低コストでモニタリングできる簡易モニタリングシステムを開発しました。
◆畜産現場のメタンガスのモニタリングが容易になり、畜産からのメタン排出を削減するための研究や取り組みが、様々な場面で加速することが期待されます。
国内外で頻発する過去に例のない気象災害や将来の気候変動に対する対策として、その主たる原因とされる温室効果ガスの排出削減の努力があらゆる産業で求められています。FAO(国際連合食糧農業機関)は、反すう家畜からのメタン排出と家畜排せつ物などからの排出を合わせた家畜生産に起因する温室効果ガス排出は、農業排出の約65%に達すると試算しており、畜産業界としても排出削減を目指したSDGsの取り組みが始まっています。
牛のげっぷ由来のメタン排出を削減するために、消化管内の微生物叢を制御する研究や新たな飼料添加物の開発、育種改良に関する研究のほか、家畜排せつ物の処理方法に関する取り組みなどが一部の大学や研究機関で進められています。
食料の安定供給・畜産の持続的発展と地球環境の両立が強く求められているなか、畜産からのメタン排出削減の取り組みを加速させるためには、さまざまな条件下でメタンガスをモニタリングする必要がありますが、高額な分析装置や試験チャンバーの導入がネックとなり、畜産現場で容易に取り組める状況にはありませんでした。
今回開発した『簡易メタンガスモニタリングシステム』は、半導体ガスセンサー、ケーブルと専用のアプリから成り【図1(a)、(b)】、Windowsパソコンでアプリを起動してメタンガス濃度をモニタリングするものです【図2】。このシステムにより、これまで難しかった畜産の様々な条件下でのメタンガスのモニタリングが容易にできるようになり、メタン排出削減のための研究や取り組みが加速することが期待されます。
この 『簡易メタンガスモニタリングシステム』は、北里大学発ベンチャーのライブストックジャパン合同会社がこれまでに開発、サービスを提供している 『畜舎の熱環境見守りサービス ''サーモニ''』 、『畜舎の換気状況見守りサービス ''サーモニ CO2プラス''』 に次ぐ ''サーモニ'' シリーズ製品 ''サーモニ メタン''として、研究機関などを対象とした試験販売を2022年7月1日より開始します。
■参考URL
ライブストックジャパン合同会社HP
https://livestockjapan.com/
■問い合わせ先
≪研究・製品に関すること≫
北里大学獣医学部 動物資源科学科
動物飼育管理学研究室
准教授 鍋西 久
e-mail: nabe9@vmas.kitasato-u.ac.jp
≪報道に関すること≫
学校法人北里研究所 総務部広報課
TEL: 03-5791-6422
E-mail: kohoh@kitasato-u.ac.jp
URL:
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【リリース発信元】 大学プレスセンター
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