弘前大学(青森県弘前市)はこのたび、「多職種連携とDX技術で融合した北東北が創出する地域医療教育コモンズ」事業で、文部科学省による大学教育再生戦略推進費「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」の拠点に選定された。これは、北東北の国立大学医学部2校および青森県内の医療系私立大学2校が連携し、多職種連携教育を基盤とした総合的に患者・地域住民を診る資質・能力を持つ医療者を教育することにより、持続可能な地域医療共同体を北東北に構築することを目的としたもの。これに伴い、令和4年10月1日付けで弘前大学大学院医学研究科に「地域基盤型医療人材育成センター」を設置し、同事業の目的達成を推進している。
【本件のポイント】
・文部科学省大学教育再生戦略推進費「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」の拠点に選定。
・選定事業では北東北の4大学が連携。多職種連携教育を基盤とした総合的に患者・地域住民を診る資質・能力を持つ医療者教育により、持続可能な地域医療共同体を北東北に構築する。
・医学研究科に「地域基盤型医療人材育成センター」を設置し、同事業の目的達成を推進。
【本件の概要】
弘前大学は、文部科学省が公募した大学教育再生戦略推進費「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」の全国11拠点のうち一つに選定された。同事業は、大学医学部における養成課程の段階から医師の地域偏在および診療科偏在や高度医療の浸透、地域構造の変化等の課題に対応するため、将来、地域医療に従事しようとする意思をもつ学生を選抜する枠を活用し、地域にとって必要な医療を提供することができる医師の養成に係る教育プログラムの開発・実施を行う教育拠点を構築することを目的としている。
このたび選定されたのは「多職種連携とDX技術で融合した北東北が創出する地域医療教育コモンズ」と題した事業。弘前大学医学部と秋田大学医学部、弘前学院大学、弘前医療福祉大学が連携し、多職種連携教育を基盤とした総合的に患者・地域住民を診る資質・能力を持つ医療者教育により持続可能な地域医療共同体を北東北に構築することを目的としている。
参画4校の教育資源を医学教育クラウドプラントで共有し、医学教育専門家が多職種連携の要素を組み込み、青森県と秋田県内で運用できるように精錬。このプロセスを通じて北東北で共有可能なオンデマンド教材や教育プログラムなどの教育資源(地域医療教育コモンズ)を創出し、北東北地域でのニーズの高い総合診療・感染症・救急・集中治療に長けた地域医療のリーダーを育成していく。
さらに、AIにこのプロセスを学習させて地域医療教育コモンズ創出AIを開発し、DX化された地域医療教育パッケージ化を北東北全域および日本国内に提案することを目指している。
この事業を実施する体制として、令和4年10月1日付けで弘前大学大学院医学研究科に「地域基盤型医療人材育成センター」を設置。専任教員2名および事務職員を配置し、同大医学部医学科医学教育センターおよび同大医学部附属病院総合臨床研修センター、同大医学部保健学科と協同して、地域にとって必要な医療を提供することができる医療人材の育成に係る教育プログラムの運営および管理を行う。
さらには青森県内の臨床実習医療機関との連携先および連携校との窓口機能を持つことに加え、青森県庁および青森県内自治体との連絡調整を行う。
今後、同センターが構築した「多職種連携」「遠隔教育・データサイエンス」「救急・被ばく医療教育」「総合診療・感染症教育」を核とする教育プログラムを受講した学生が、地域ニーズの高い医療へキャリア展開をすることで、将来深刻化する過疎化により増加するへき地医療に従事する総合診療医養成や、新興感染症パンデミックや複合災害に迅速に対応可能な救急・災害医療体制の確立、パンデミック・災害の双方に対応可能な遠隔診療体制の整備を図ることにつながることが期待される。
北東北、ひいては高齢化と人口減少が想定されている日本国内の他の地域や諸外国に対しても、同事業での成果を普及させることで、社会に貢献していく。
なお、同事業のキックオフとして、令和4年11月22日(火)10時30分から、アートホテル弘前シティにおいて地域基盤型医療人材育成センター運営会議の開催を予定している(PDF資料に委員名簿を添付)。
(参考)
・「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」の選定結果(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1387768_00002.htm
▼本件に関する問い合わせ先
弘前大学大学院医学研究科
事務長・庄司 聡
住所:青森県弘前市在府町5
TEL:0172-39-5201
FAX:0172-39-5205
メール:jm5201@hirosaki-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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