乃村工藝社のR&D:利用者の笑顔を読み取りデータ分析、空間デザインや運営・演出に活用
株式会社乃村工藝社はオフィスや公共・商業施設などにおいて、生活者が心身ともに健やかに幸せに過ごせる、持続的なウェルビーイング空間づくりを目指しています。今回、自社で企画・開発した「emograf(エモグラフ)※」を使用し、笑顔など利用者の感情推測によりウェルビーイング状態を分析・データ活用する、空間DXサービスを発表しました。本サービスにより、コミュニケーション活性化に向けた空間評価・改善による満足度向上、感情を可視化したコンテンツ制作やマーケティング活用による新たな価値創出などが期待できます。
< emograf(エモグラフ)の特徴・今後の展望>
emografは360度カメラを使用した非接触型で、利用者に身体的な負担なく表情を取得し、リアルタイムで感情を推測・可視化します。データは、性別・年齢層の把握、複数人の表情を同時取得するなど複合的に取得。人流解析も併用し感情起点で人がどう動き行動していくのか空間全体を多角的に捉えることも可能です。当社は、データを空間デザインや運営・演出に活かすことで、利用者の感情に寄り添いながらコミュニケーションを豊かにし、ポジティブな行動変容を促す空間活性化を提案します。今後は2月に実施した実証実験結果をもとに、施設やイベントへの提供を目指してさらなるサービスデザインの開発を進めていきます。
乃村工藝社は空間を通して歓びと感動を提供しつづけるため、テクノロジー活用による空間ソリューションをオープンイノベーションで研究し社会に還元しています。これからも、技術とクリエイティビティにより、誰もが心地よい空間づくりを目指していきます。
(本サービスは、当社R&D活動の一環として、2023年2月6日~2月17日まで乃村工藝社RESET SPACE_2にて実証実験を実施。実験結果は4月に公開予定。)
※emograf(エモグラフ):乃村工藝社グループのイノベーション・ラボラトリー「NOMLAB(ノムラボ)」が企画・プロデュースするサービス。人の表情を解析しその場の雰囲気や盛り上がりなど、空間にある感情を可視化。リアルタイムに表情を取得・表情を解析。データ分析やデジタル表現によるビジュアライズ演出を実現。 2019年作成プロトタイプは株式会社ワントゥーテンと共同制作。
・AIカメラによる表情などの各種認識機能は、株式会社ワントゥーテンの 「QURIOS CAMERA」が提供
<想定される活用シーン>
1.ウェルビーイング空間への活用:感情推測の分析結果をエビデンスとして、内装デザインやレイアウト改善、運営計画に反映。企業のウェルビーイング経営や健康経営指標の評価、施設の活性化策に活用など。人流解析の併用も可能。
2.コンテンツ演出への活用:利用者の笑顔を引き出したり、感情連動による演出効果で顧客体験価値向上に活用など。
オフィスや病院・高齢者施設、ホテル:感情が動くエリア・時間帯を認識。利用者が活き活きと過ごせている状態かを分析、空間デザイン・運営の改善など。
商業施設や店舗、観光施設:属性・年齢層も含めた接客によるポジティブな感情が、利用者の買い回りに与える影響を分析、空間デザイン・運営の改善など。
テレビ・映画・演劇・イベント:笑顔に反応する演出や、各種表情を取得しアンケートでは測りきれない観客の反応評価でエンターテインメント性向上など。
<emografの機能>
NOMLAB(ノムラボ)について https://www.nomlab.jp/
「デジタルイノベーション×場づくり」をテーマに空間体験の可能性を拡張する新たな演出やサービスの領域を開発する乃村工藝社グループのイノベーション・ラボラトリー。デジタル技術と空間の融合により自主開発型のプロトタイプやクライアントワークを手がけ、当社グループのデジタルコミュニケーション領域を開発する専門組織です。
乃村工藝社について https://www.nomurakougei.co.jp/
1892年の創業。乃村工藝社は、商業施設、ホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの企画・設計、施工から運営管理までを手掛ける空間の総合プロデュース企業です。グループ全体では、全国9拠点・海外8拠点、国内外6つのグループ会社で事業展開し、社員数約2,000名の内、プランナー・デザイナー620名、プロダクトディレクター570名の専門職が在籍しています。創業から130年にわたり培ってきた総合力を活かし社会課題の解決につながる空間価値の提供で人びとに「歓びと感動」をお届けしています。 乃村工藝社が考えるウェルビーイング・スペースはこちらから。