国立大学法人弘前大学(学長:福田眞作、所在地:青森県弘前市、以下「弘前大学」)は2023(令和5)年3月24日、太宰治記念「津軽賞」第1回地域探究論文高校生コンテストの最優秀賞である津軽賞の受賞者を表彰しました。コンテストには全国から435件の応募があり、最優秀賞に輝いたのは、個人部門は石川朱澄さん(郡山高等学校)、グループ部門は高田江梨花さんと高崎明音さん(高崎商科大学附属高等学校)でした。第2回弘前大学太宰治記念「津軽賞」の公募開始は2023年秋を予定しています。
2023(令和5)年3月24日、弘前大学太宰治記念「津軽賞」第1回地域探究論文高校生コンテストの表彰式を挙行しました。
津軽賞は、弘前大学の前身の一つである旧制官立弘前高等学校出身の太宰治の中期の傑作として名高い小説『津軽』にちなんで設立されました。この賞は、高校生が自らの地域を探究し、自分が本当に学びたいことに気づいてもらうことを目的としています。
第1回コンテストは、昨年9月から10月にかけて、個人・グループの2部門で小論文を募集し、全国の高校生から435件(うち青森県内は59件、受賞数は19件(個人部門12件、グループ部門7件))の応募が寄せられました。最優秀賞である津軽賞に輝いた郡山高等学校(奈良県)3年の石川朱澄さん(個人部門)と、高崎商科大学附属高等学校(群馬県)1年の高田江梨花さんと高崎明音さん(グループ部門)の2組を弘前大学に招待し、表彰式を行いました。表彰式の前後には、キャンパスツアーで大学構内を巡ったり、太宰治まなびの家(旧藤田家住宅)の見学を行いました。
個人部門で受賞した石川さんは奈良の自然の現在と未来について、トゲチシャという帰化植物の植生調査や実験を通じて考察しました。ひとつの植物を起点に、広く地域の環境や風景のあり方を考えるという、ミクロな視点とマクロな視点とをつなぐ構成がすぐれている論文でした。石川さんは表彰式後の市内散策中に、弘前にもトゲチシャが生育していないか道端を興味深く観察するなど、積極的に探究する姿勢が見られました。
グループ部門で受賞した高田さんと高崎さんは、「海なし」県である群馬県においてなぜ「浦島太郎」の竜宮伝説が存在するのか、というユニークなテーマに取り組みました。容易には解けない謎に挑む好奇心とそこから生まれた仮説は、これからのより深い地域の探究への可能性を感じさせる点で、「津軽賞」にふさわしいものでした。二人とも今回の受賞をきっかけに、地元・群馬への愛着が深まり、より深く探究したいと語りました。
福田眞作学長は「疑問から課題を見つけて解決する力は、今後社会に出てからも必ず役立ちます。ぜひ高等教育機関への進学を目指し、探究する力を発揮してほしい」とメッセージを贈りました。
受賞結果詳細については「太宰治記念 津軽賞」特設サイト(
https://tsugarusho.hirosaki-u.ac.jp/# )からご確認ください。
また、第2回弘前大学太宰治記念「津軽賞」の公募開始は2023年秋を予定しています。
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