東京工芸大学(学長:吉野弘章、所在地:神奈川県厚木市)大学院工学研究科建築学・風工学専攻博士後期課程2年の立花卓巳さんらの論文が、日本風工学会ベストペーパー賞を受賞した。受賞論文は、都市の汚染物質の拡散を予測するための風洞実験の精度を検証し、その結果をまとめたもの。風洞実験の結果と現実の拡散状況がよく一致したため、汚染事故の発生時や大気汚染の予防策を策定する際に、より正確な予測情報を提供することが可能となる。
表彰式は、2023年5月24日(水)に熊本大学(熊本県熊本市)で開催された「2023年度日本風工学会年次研究発表会・社員総会」終了後に、参加者全員の前で行われた。
日本風工学会ベストペーパー賞は、2022年1月1日から2022年12月31日までに日本風工学会論文集およびJournal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamicsに発表された、風工学に関する独創的で優れた単編の論文に授与されるもの。
受賞論文は東京工芸大学厚木キャンパスを対象に屋外拡散実測と風洞実験を実施し、実測と風洞実験の対応を調査するとともに、模型実験の相似則の確認を行った結果をまとめたもの。
受賞論文の概要は以下のとおり。
■都市におけるガス拡散の屋外実測と風洞実験との対応および相似則の確認
【受賞者】
東京工芸大学大学院工学研究科建築学・風工学専攻博士後期課程2年 立花卓巳
義江龍一郎(東京工芸大学指導教員)、中山悟、岸田岳士、宮下康一、佐々木亮治
【論文】「都市におけるガス拡散の屋外実測と風洞実験との対応および相似則の確認」
【著者】立花卓巳、義江龍一郎、中山悟、岸田岳士、宮下康一、佐々木亮治
【掲載誌】日本風工学会論文集,第47巻,第3号(通巻第172号),pp.39-52,2022.
【研究概要】
「風洞実験による都市の汚染物質拡散の予測精度の検証を目的とし、東京工芸大学厚木キャンパスを対象に屋外拡散実測と風洞実験を行い、両者の比較検証を行った。また、模型縮尺率、実験風速、ガス排出量を変化させた風洞実験を行い、拡散風洞実験における相似則を確認した。この結果、実験と実測の無次元濃度はよく一致した。また、無次元濃度に対する模型縮尺率、実験風速、ガス排出量の依存性が少ないことが確認された。」
東京工芸大学は2023年に創立100周年を迎えた。1978年に設置された大学院工学研究科は、最先端の研究活動に不可欠な最新の装置と設備を備えている。同大は今後も、この探究フィールドを活用し、幅広い視野と豊かな独創性を兼備した高度な技術者や研究者へと育成していく。
■日本風工学会
【URL】
https://www.jawe.jp/ja/
■東京工芸大学 風工学研究センター
文部科学省の学術フロンティア推進事業に選定され、風と人間の安全で快適な関わりを研究・創造する機関として2000年に設立。「強風災害低減システムの構築」「通風設計法の構築」「空気汚染問題と評価システムの構築」の3つのテーマを掲げ、台風や竜巻による都市や建築物の被害の低減、省エネルギーのための自然換気を利用した通風設計、室内外の空気汚染の改善などの研究を進めている。
【URL】
http://www.collaborate.wind.t-kougei.ac.jp/
■東京工芸大学
東京工芸大学は1923(大正12)年に創立した「小西寫眞専門学校」を前身とし、当初からテクノロジーとアートを融合した無限の可能性を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎えた。
【URL】
https://www.t-kougei.ac.jp/
▼本リリースに関するお問い合わせ
学校法人東京工芸大学 総務・企画課 広報担当
TEL:03-5371-2741
MAIL:university.pr@office.t-kougei.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/