「文理融合の体験型学習」の一環として、1年生は「国立科学博物館」、2年生は「東京国立博物館」を見学しました。
東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県東松山市)は、2023年7月11日(火)に、1、2年生の「博物館研修」を、東京都台東区の上野公園にて実施しました。実学教育を掲げる農大三中では、教科の枠を超えた「文理融合の体験型学習」の機会を多数取り入れており、今回もその一環となります。
国立科学博物館を訪問した1年生は、この研修において科学への興味関心を高めるとともに、「班別行動」を通じて、協調性や計画性、責任感を培うことを目的としています。生徒たちは、事前学習において「行動計画書」を作成して臨んでおり、博物館に到着すると、すぐに班別に行動を開始しました。
東京農業大学の併設校ということもあり、「理科」に興味を持つ生徒が多く、恐竜の化石の巨大さに興奮したり、まだ学習していない物理や化学の分野の体験コーナーで、楽しそうに学んだりする姿が見られました。また、文化祭での発表を意識して、「人を惹きつける展示方法」という視点で見学する生徒も見受けられました。
一方で、展示に夢中になり、班の仲間とはぐれてしまう生徒も何名かいましたが、教員から指導をうけつつ、移動時にお互い声を掛け合う様子に、小さな成長を感じました。
2年生は、科学博物館から少し離れた東京国立博物館へ。2年生から始まった歴史の授業に関連し、各自が興味を持った展示物について、「自分で見て学んだことを発信する」ことを目的とし、また「個人活動」を重視しています。生徒たちは、やはり事前学習において「個人計画書」を作成しており、限られた時間内に見学できるよう準備をしてきました。
最初に全員でガイダンスを受けると、軽い足取りで各々のめざす展示へ向かいました。展示物のより深い見方や、見どころを教わった生徒たちは、さまざまな角度からじっくりと観察し、友人や先生たちと、その感想を伝えあったりしていました。ミイラの展示の観察に時間をかけていた生徒は、「映画で見たミイラのイメージよりも、もっと不気味さを感じる。背は自分と同じくらいだから、昔の大人は意外と小さかったのかな。」と、更に興味を深めている様子でした。
博物館の見学後は、地下鉄で浅草へ向かい、班別に散策活動を楽しみました。2学年担任の佐藤茜教諭は1日を振り返り、「生徒たちは目的意識を持ち、自分たちで考えて行動できるようになってきました。1年生の頃から大きく成長していると感じています。」と笑顔で話してくれました。
今後、1年生は「私が伝えたい!国立科学博物館の魅力」というテーマでレポートを作成します。また2年生は「展示物の紹介レポート」と、外国人観光客に向けた「浅草ガイドブック」を英語で作成し、8月末に実施する語学研修において、様々な国からの留学生に紹介します。1つの研修から、様々な教科を横断した学びに発展していく点は、農大三中の「文理融合の体験型学習」ならではと言えるでしょう。どちらの学年も、9月9日(土)、10日(日)に開催される文化祭において、今回の研修の成果を展示発表する予定です。
取材・撮影:学校法人東京農業大学 初等中等教育部(TEL:03-5477-2391)