コロナ禍で世界大会の中止・延期が続いた中、各国チャンピオンを称えようと日本に招いてセレモニーを開催
ヤマハ認定整備士は世界に約3万4,000人
「いまでも印象に残っているのは、2016年大会で世界チャンピオンになった鮫島遼平さん(YSP川崎中央)の雄姿です。“必ず優勝する”と自信に満ち溢れていて、その言葉どおり圧勝してみせました。積み上げてきた技術と知識、そして日の丸を背負った堂々とした戦いぶりに、まるで鍛え抜かれたアスリートのような風格さえ感じました」
ヤマハ二輪車整備士の技能を競う世界大会、「ワールド・テクニシャン・グランプリ(以下・WTGP)」。その第1回大会(2002年)から運営を支えてきた加賀かおりさん(当社・サービス部)はそう振り返ります。
世界各地に展開する当社の販売ネットワークには、それぞれ優れた整備技術でお客様のバイクライフを支える整備士の皆さんの存在があります。当社では、どの国、どの地域であってもお客さまに統一されたヤマハ基準の高品質なサービスをお届けするために、整備士の教育プログラムYTA(ヤマハ・テクニカル・アカデミー)を展開しています。YTAが認定した二輪車整備士は、現在、世界におよそ3万4,000人。WTGPは、その技術を競う世界大会として2年に1度開かれてきました。
「WTGPは、二輪車整備士にとってオリンピックのようなもの」と、バングラデッシュ代表のシックダーさん
コロナ禍を経て2025年の再開を計画
「WTGPは、二輪車業界で最も歴史の長い整備士の世界大会です。各国大会を勝ち抜いてWTGPに出場することは、世界中の整備士にとってとても栄誉なことです」と、大会責任者の田中由喜男さん(同)。
しかし世界的なコロナウイルスの蔓延により、2018年大会を最後に大会は延期・中止され、5年もの長い空白期間ができてしまいました。
「その間も、世界中の整備士の皆さんは、日々の業務やオンラインによるYTA受講を通じて技能に磨きをかけ、さらに、国内大会が開催できた地域では何人ものナショナルチャンピオンが生まれていました。せっかく世界大会への切符をつかんだにも関わらず、世界の仲間たちと競い合う機会を持てなかった人たちを称えようと、今秋、日本に招いて表彰セレモニーを行いました」(田中さん)
バングラデシュ大会で優勝を飾ったタレク・シックダーさん(写真)もその一人。「この大会は、すべてのヤマハ二輪車整備士にとってオリンピックのようなものです。世界を相手に高いレベルで競い合うことを楽しみにしていたので(大会中止は)残念でしたが、バングラデシュを代表して日本で表彰を受けたことを誇りに思います」と話してくれました。
整備士は、一般的にメカニックと呼ばれます。「しかし私たちは技術や知識だけでなく、お客様に満足をお届けする彼らの技能に敬意を払い、あえてテクニシャンと呼んでいます」と田中さん。その3万4,000人のテクニシャンの頂点を決めるWTGPは、2025年の再開が計画され、出場権を賭けた国内大会も各国で始まろうとしています。
表彰セレモニーでは、各国チャンピオンに日髙社長からトロフィーが手渡され、
お客様の愛車を守る日頃の業務に対して感謝が伝えられた
■YAMAHA TECHNICAL ACADEMY(YTA)
https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/owner-support/customer-support/yta/
■広報担当者より
当社サービス部門がグローバルに共有する“One to One Service”の理念。それを具現化するために、世界統一基準による整備士教育プログラム「YTA」が世界中で展開されています。WTGPは、そのYTA認定整備士が技術や知識を競う世界大会。二輪車整備士の地位やモチベーションの向上にも大きな役割を果たしています。