「コロナ禍明けの学校生活」を支えた生徒会5役が、任期を終え世代交代しました。
東京農業大学第三高等学校(埼玉県東松山市)は、「第39回生徒会役員選挙」を10月19日(木)の6時間目に実施しました。立候補者8名による立会演説会とその応援演説が校内放送にて行われ、「生徒会5役」と呼ばれる会長・副会長(2名)・書記長・会計長が新たに決定しました。11月中旬に行われる「生徒中央報告会」をもって、新メンバーへの移行を迎えます。
学校を訪れるたびにその存在感が際立つ農大三高の生徒会。5役以外は入部届を提出することで誰でも入会することができ、なんと現生徒会は総勢63人の生徒が参加しています。その活躍ぶりは多岐にわたり、体育祭や文化祭、球技大会などの学校行事において、企画から運営までを中心となって担っています。また、日頃から通学バスロータリーの交通整備を自主的に行ったり、学校説明会においては、来場者の満足度を高め、ファンを増やそうと、校内見学ツアーを提案して実施したりと、幅広く活動しています。選挙の時に掲げた「公約」や、生徒から寄せられた声を反映させた「意見書」を学校側に提案する機会も多く、今年度は制服の1アイテムとして「ポロシャツ」が導入されたり、売店が閉まっている時間でもいつでもパンやお菓子が購入できる「食品販売機」が設置されたりと、精力的に活動してきました。
このような、生徒会の姿を見て憧れを持つ生徒も多いようで、現在の2年生23人のおよそ半数が、1年生の時に生徒会の活動の様子を見て、「自分もやってみたい」と途中から入会しました。「もっとこうしたい!」という気持ちが強い生徒がさらに増え、積極的な意見もたくさん提案されたことで、様々な行事のクオリティも一層上がったようです。
現会長の森川馨さんは、「一人ひとりに長所があり、得意分野を生かして活躍してくれたことが本当に良かったです。後輩たちに様々なこと教えようとすると、1教えたことに対して、10倍のことを聞いてきてくれる積極的なメンバーたちでした」と笑いながら語ってくれました。
そんな現生徒会のメンバーの1人でもあり、今回の選挙で見事新会長に当選したのは、横山美月さん。学校説明会で生徒会が凄いとの話を聞き、ずっと憧れを抱いてきたそうで、入学してすぐに入会したそうです。今回の選挙の演説において「前会長の森川さんの意志を継ぎたい」と述べた横山さんは、「何代にもわたって掲げている公約の実現や、地域との連携に関する新たな取り組みなど、応援してくれた先輩や投票してくれた約600名の期待に応えられるよう精一杯頑張りたい」と、これからの抱負を話してくれました。
一方で3年生のメンバーは、まもなく生徒会の任を終えます。現副会長の河合亮佑さんは、今年1年間を振り返って、「『挑戦の1年』でした。コロナによる制限が緩和され、行事も規模を縮小する必要もなくなりましたが、自分たちはコロナ禍前の本来の行事を知りません。先生方と相談し、先輩方とコンタクトを取りながら、コロナ禍前以上のものにしたいと思い、手探りで取り組んできました。自分たちが築き上げてきたこの生徒会を、後輩にはしっかり引き継いでもらい、より発展させていってほしいですね」と笑顔で話してくれました。
最後に、生徒会指導部長の萩原靖展教諭にお話しを伺うと、「会長を中心に、副会長、周囲のメンバーが支えあって活動できていました。コロナ禍が明けたこともあり、来年の目標の一つが『地域との連携・活性化』なので、引き続き積極的に提案し、実現してほしいですね」と微笑みながら話してくれました。
取材:学校法人東京農業大学 初等中等教育部(TEL:03-5477-2391)