地域の史跡において、歴史や文化への興味関心が深まる学びの機会となりました。
東京農業大学第三高等学校附属中学校(埼玉県東松山市)は、2023年10月24日(火)にさきたま古墳公園(埼玉県行田市)にて、1年生を対象とした「フィールドラーニング」を実施しました。学校から約12kmと、比較的近い場所に位置するさきたま古墳群の歴史や文化に触れ、地域への興味関心を深めることを目的に実施されています。また、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・芸術(Art)・数学(Mathematics)の5つの分野を横断した学びを提供し、探究と創造のサイクルを生み出すという「STEAM教育プログラム」を実践している農大三中において、今回のフィールドラーニングは「技術(Technology)」の分野の学びに位置付けられており、古墳について学ぶことで、当時の道具や建設技術の理解を深めることも、目的の一つとしています。
生徒たちは事前学習として、さきたま古墳群の稲荷山古墳から出土した国宝の「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」について、博物館から公開された三次元モデルを見ながら、剣に刻まれた文字を書きとり、その意味を調べました。刻まれた115文字の中には、金錯銘鉄剣を作らせたヲワケが、ワカタケルオオキミに代々つかえていたことが書かれており、生徒たちは「古事記」、「日本書紀」で聞いたことのある名前に、歴史の授業との関連性や、国宝になった理由を実感して当日に臨みました。
フィールドラーニング当日は、秋晴れの中、生徒たちはワークシートを片手に実際に古墳に登ったり、展示館を見学したりしました。ミニイベントとして写真コンテストも企画され、様々な場所から古墳を撮影しながら、約1時間半もの間広い敷地内を歩き回りました。初めて実物の古墳を訪れた生徒たちは、「自分たちが登った古墳の土が大昔の人の土木技術によって盛られた土であることを考えると不思議な気持ちになった。写真で見るよりも何倍も大きいことを実感した」と、更に興味を深めている様子でした。
1学年主任の北田啓教諭は1日を振り返り、「生徒たちは一連の活動を通して、古墳の成り立ちやスケールの大きさ等を肌で感じ、理解を深めることができました。また、6月には学校から徒歩圏内にある吉見百穴でもフィールドラーニングを実施しており、地域にある史跡を身近に感じる機会が多数あります。歴史や文化に関心を持つきっかけとなる生徒も多く、有意義な学びとなっていますね」と笑顔で話してくれました。
取材・撮影:学校法人東京農業大学 初等中等教育部(TEL:03-5477-2391)