1か月に渡る熱心な練習を通じて、先生方との距離も一層近づきました。
東京農業大学第三高等学校附属中学校(所在地:埼玉県東松山市)は、2023年11月16日(木)に、東松山市民文化センターにて、合唱コンクールを開催しました。新型コロナウイルスの影響を受け、2020年度は中止、21年度は校内にて規模を縮小して実施しました。昨年度から会場が文化センターに戻りましたが、保護者は1名のみという来場制限が設けられました。今年度は来場者数の制限もなく、4年ぶりに例年通りの開催となりました。
生徒たちは、クラスの合唱曲と学年合唱曲の2曲を歌います。およそ1か月の間、全力で練習に励みました。限られた時間のなかで最大限の成果が出せるよう、クラスや学年担任の先生方も生徒の練習を全面的にサポートしました。放課後には合唱指導者として広くご活躍されている、高校の音楽科の先生にも出張指導をしていただきました。
当日、合唱コンクール開始時刻は13時半でしたが、生徒たちは朝9時から会場に入り、リハーサルを行いました。クラス担任の先生が、観客席からステージ上の生徒の並び方や、会場後方までの声の届き方を確認し、より上に声を飛ばすよう呼びかける様子も見受けられました。音楽科の先生からも発声や息継ぎなどに関して細やかな指示があり、生徒たちはこれまでの指導を振り返りながら、ぎりぎりまで良い合唱になるよう最後の仕上げを行いました。
また、ホールの外では、開会式の直前まで練習しているクラスや、先生を囲んで円陣を組んでいるクラスもありました。ピアノ伴奏の生徒の隣で楽譜をめくるのを手伝う先生や、リハーサル全体を見守る校長先生の姿など、教員と生徒の距離感の近い、農大三中らしい光景が各所で見られました。
午後になると、保護者のみなさんも多数来場し、いよいよ合唱コンクール本番です。1年生から順に、練習の成果を存分に発揮しました。合唱の前に、代表の生徒がクラスの特徴や選曲の理由を話すところから始まります。「たくさん練習に付き添ってくださった先生方に感謝しながら歌います」「優秀賞を取って担任の先生を泣かせたい」といった、先生に対する生徒たちの思いがたくさん込められていたことが印象的でした。学校での練習環境とは異なる立派なステージは、緊張感も漂いますが、どのクラスも笑顔で歌いきりました。
最後に、農大三高の音楽部によるアカペラ合唱の発表がありました。高校生一人ひとりの声量と美しいハーモニーに、三中の生徒一同聞き入りました。その後、会場にいる全員で「銀河鉄道999」を歌い、締めくくりました。
合唱コンクールを終え、放課後指導を担っていただいた高校音楽科の萩谷房子先生からは「本番は一度しかない『時の芸術』です。生徒たちの素敵な合唱が聞けて、感謝の気持ちでいっぱいです」との講評の言葉をいただきました。また、学校行事に熱心にとり組まれている、3学年主任の松吉杏佳先生は、「練習を始めた頃から生徒たちを鼓舞してきましたが、今日まで本当によく頑張ってくれました。この一体感ある合唱は、一生忘れないと思います。生徒たちの気持ちが伝わってきました」と、涙ぐみながら話してくれました。
取材・撮影:学校法人東京農業大学 初等中等教育部(TEL:03-5477-2391)