国内最大規模の診療データベース(DB)を保有し、データに基づく医療を推進するメディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之、以下 MDV)は、4年に一度訪れるうるう年の今年は2月29日が「世界希少・難治性疾患の日」ということで診療DBを活用して、希少・難治性疾患の患者数を算出しました。
厚生労働省の「指定希少疾病用医薬品一覧表(2020年9月現在)」の中の承認済みの疾患とその効能・効果から希少疾患を抽出し、MDVの診療DB(440施設)を基に、2022年1~12月のそれぞれの疾患の患者数を類推したところ、データ提供施設の中で上位には全身の筋力が低下などする「全身型重症筋無力症」や抹消神経の障害で力が入らなくなる「ギラン・バレー症候群」などが並び、その中でも「再生不良性貧血」は7000人超でした。
■社会医療法人財団董仙会 恵寿総合病院(石川県七尾市) 山﨑雅英副院長兼血液内科長
再生不良性貧血は、年代では10代から20代と50代から60代以上に罹患の山が来る。同疾患は骨髄中の造血幹細胞が何らかの原因で傷害され、働かなくなることで血球(赤血球、白血球、血小板)が減少する病気だ。遺伝はほとんどないと言われる。原因は多くの場合、不明だとされ、原因が特定されるケースでは抗がん剤や放射線被ばくなどの影響が指摘される。
健診でも疑い患者が見つかることはある。例えば、白血球が正常値3500~8000/μLくらいのところが、2000/μL台であったり、赤血球(ヘモグロビン濃度)が男性14.0g/dL、女性12.0g/dLぐらいのところが、それぞれ10や8g/dLに下がっていたり、血小板だと通常15~30万/μLのところが、5~10万/μL程度に減少しているだとかになる。患者さんの訴えとしては、体がだるいなどの倦怠感や、白血球が減ってくることで、感染症により発熱を理由に受診してくる方もいる。血小板の場合は出血傾向なので、歯磨きをして血が出る。手や足に青あざが出てくるといったことで来院することもある。
【山﨑副院長】