UV-LED光源を初めて搭載したFPD露光装置「FX-88SL」、「FX-88SLD」を受注開始
高解像かつ高生産でありながら環境負荷低減を実現
FPD露光装置「FX-88SL」のイメージ
株式会社ニコンは、FPD露光装置として初めてUV-LED(紫外線LED)光源を採用し※1、高解像かつ高生産でありながら環境負荷低減を実現した、第8世代プレートサイズ(2,290 mm × 2,620 mm)対応のFPD露光装置「FX-88SL」、「FX-88SLD」※2の受注を2025年11月から開始します。
※1 2025年10月23日時点で発表済みのFPD露光装置において。ニコン調べ
※2 「FX-88SL」と「FX-88SLD」は、搭載するUV-LED光源の波長が異なります。詳細は「主な性能」をご覧ください
発売概要
| 商品名 | FPD露光装置「FX-88SL」、FPD露光装置「FX-88SLD」 |
| 受注開始時期 | 2025年11月 |
| 上市時期 | 2026年4月 |
開発の背景
スマートデバイスから大型のハイエンドモニターまで高精細パネルの需要が強まる中、パネル製造における高い生産性と消費電力抑制の両立が求められています。こうした背景を受けて、ニコンはUV-LED光源を採用したFPD露光装置をいち早く開発しました。UV-LED光源は高照度による高い生産性と省エネ、ランニングコスト低減を実現し、水銀フリーで環境負荷低減に寄与します。このように、ニコンは、環境負荷低減の推進などを通して、持続可能な社会の実現と自社の持続的成長を今後も目指していきます。
FPD露光装置「FX-88SL」「FX-88SLD」が対応する市場
主な特長
1. 高解像度と高生産性を両立
高精度フォーカス補正システムによりプレート全面で優れた線幅均一性を発揮しながら、第8世代プレートサイズを4回のスキャンで全面露光することが可能です。光源にi 線を搭載した「FX-88SL」は1.5µm※3 L/S※4の解像度を実現し、タクトタイムは従来機種「FX-88S」から17%向上させた、プレート1枚あたり39秒※5を達成しました。また、光源に2つの波長※6を搭載した「FX-88SLD」は、高照度が求められる製造工程の生産性をさらに高めることができます。
※3 1µm(マイクロメートル)は、100万分の1メートル(1000分の1mm)を表す
※4 Line and Spaceの略。配線の幅と隣り合う配線同士の間隔のことを指す
※5 2,290 mm × 2,620 mm、 4 スキャン、 i線、 30 mJ/cm2 の場合
※6 i線相当、h線相当
2. 重ね合わせ精度±0.3μmを実現
高精度なアライメント技術により、重ね合わせ精度±0.3µmを実現しました。ニコン独自のマルチレンズシステム※7を構成する各レンズを精密に制御することで、大型のプレートで発生しやすい歪みなどの変形に対しても、高い重ね合わせ精度が得られます。これにより、高い歩留まりでの量産に貢献します。
※7 複数の投影レンズを並べて精密に制御することで1本の巨大レンズを用いたかのように露光するニコンのFPD露光装置の独自技術。1回の露光でより広い範囲へのパターニングが可能となる
3. UV-LED光源採用で性能と環境負荷低減を追求
光源には消費電力が小さく、水銀を使用しないUV-LEDを採用。高照度により、生産性を高める効果がありながら、ランニングコストも抑えられます。さらに、ニコンではUV-LED光源の部品をリサイクルする仕組みを構築し、持続可能な社会の実現に向けて前進しています。
主な性能
| FX-88SL | FX-88SLD |
|
| 解像度 | 1.5 µm L/S 1.8 µm C/H |
2.5 µm L/S 2.5 µm C/H |
| 光源 | UV-LED i-line相当 | UV-LED i-line+h-line相当 |
| 投影倍率 | 1 : 1 | |
| 重ね合わせ精度 | ≦±0.30 µm | |
| プレートサイズ | 2,290 mm x 2,620 mm | |
| タクトタイム | 39秒 / プレート (条件)2,290 mm × 2,620 mm、4スキャン、i-line、30 mJ/cm2 |
39秒 / プレート (条件)2,290 mm × 2,620 mm、4スキャン、i-line+h-line、30 mJ/cm2 |
こちらに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
