GitHub、あらゆるエージェントを単一のプラットフォームに統合する「Agent HQ」をGitHub Universe 2025で発表

GitHub Japan

開発者のワークフローにネイティブ統合し、AIとの安全かつシームレスな協働を実現
 

2025年10月28日(米国時間)– 米国カリフォルニア州サンフランシスコ – AIを活用したソフトウェア開発者プラットフォームとして世界をリードするGitHub( https://github.com/about )は、年次開発者カンファレンス「GitHub Universe 2025( https://githubuniverse.com/ )」において「Agent HQ(エージェント本部)」を発表しました。Agent HQは、あらゆるエージェントを統合・制御可能な単一のプラットフォームで、開発者が信頼するワークフローの中で、より安全かつシームレスにAIと連携できる環境を実現します。
 
 
AI技術の発展により、開発者は複数のツールやインターフェースに分散したAI機能を使い分ける必要が生じています。GitHubはこれまで、Gitへのアクセス性向上、プルリクエストを用いた体系的なコードレビュー、GitHub Actionsによるデプロイメントの自動化など、こうした開発ワークフロー上の課題解決に継続的に取り組んできました。

現在、1億8000万人の開発者がGitHubを利用しており、その利用者数は史上最速のペースで成長していますhttps://github.blog/news-insights/octoverse/octoverse-a-new-developer-joins-github-every-second-as-ai-leads-typescript-to-1/ ) 。GitHubを新たに利用開始した開発者のうち80%が、最初の1週間でGitHub Copilotを活用しています。AIはもはや単なるツールではなく、開発エクスペリエンスに不可欠な要素であり、GitHubはこの新たな時代のコラボレーションを、より強力かつ安全に、信頼性の高いワークフローにシームレスに統合することを使命としています。

今回発表されたAgent HQは、GitHubプラットフォームの次の進化に向けたビジョンです。エージェントは後付けの機能ではなく、既存の開発システムと同じように機能するべきであるという考えのもと、エージェントをGitHubフローにネイティブ対応させます。そして、すべてのエージェントを単一のプラットフォームに統合することで、GitHubをオープンエコシステムへと進化させます。
 
ミッションコントロール 3P エージェント(デモビデオ)
( https://youtu.be/KniyIrpTDE8 )

既に信頼されている基本機能をベースに開発された、新機能「ミッションコントロール」は、単一のコマンドセンターとして機能し、 複数のエージェントの作業を場所を問わず割り当て、指示、追跡できます。VS Codeでも利用可能で、エージェントの動作を計画し、カスタマイズする新たな方法を提供します。さらに、企業で利用できるエンタープライズグレード機能として、新しくなったエージェントコードレビュー、AIのアクセスとエージェントの行動を管理する専用コントロールプレーン、AIが業務に与える影響を可視化するメトリクスダッシュボードを提供します。


GitHubはAgent HQとなりエージェント本部へ: すべてのエージェントのためのオープンなエコシステム
未来のエージェント型ワークフローでは、複数のエージェントを編成し、各エージェントが得意とする複雑なタスクを並行して実行することで、分断されたツールを集めたり単一のエージェントへの依存が不要になります。GitHubは、非同期コラボレーションの先駆者として、次世代の非同期ツールを確実に稼働させることを目指しています。

Agent HQでは、Git、プルリクエスト、Issueといった使い慣れた基本機能は維持しつつ、GitHub Actionsやセルフホスト型ランナーなど、お好みのコンピューティングリソースを引き続き利用できます。

今後数か月以内に、Anthropic、OpenAI、Google、Cognition、xAIなどが提供するコーディングエージェントを、GitHub Copilotの有料サブスクリプションを通じてhttps://github.com/features/copilot/plans )GitHub上で直接利用可能になる予定です。また、今週からGitHub Copilot Pro+ユーザー向けに、VS Code Insidershttps://code.visualstudio.com/insiders/ )からOpenAI Codexにタスクの割り当てができるようになる予定です。これは、直接エディタから指定できる最初のエージェントになります。

OpenAIのCodexプロダクトリードであるアレクサンダー・エンビリコス(Alexander Embiricos)氏は、次のように述べています。「GitHubとOpenAIのコラボレーションは、開発者によるソフトウェア開発の限界を常に押し広げてきました。最初のCodexモデルはGitHub Copilotの基盤となり、AIを活用した新世代コーディングのインスピレーションを与えました。私たちは、働く場所を問わず開発者と繋がるというGitHubのビジョンを共有しており、GitHubとVS Codeを利用する何百万人もの開発者にCodexを提供し、コードが書かれるあらゆる場所にCodexの力を広げられることを大変嬉しく思います」

Anthropicの最高製品責任者であるマイク・クリーガー(Mike Krieger)氏は、次のように述べています。「GitHubとの提携により、Claudeはチームのソフトウェア開発手法にさらに近づきます。Agent HQを使えば、ClaudeはIssueを拾い、ブランチを作成し、コードをコミットし、プルリクエストに応答し、他の共同作業者と同じようにチームと連携できます。これが、私たちが考える開発の未来です。エージェントと開発者が、既に信頼されているインフラストラクチャ上で共に開発を進めるのです」

Google Labsのプロダクトディレクターであるキャシー・キレベック(Kathy Kirevec)氏は、次のように述べています。「最高の開発ツールというものは、ワークフローにシームレスに統合され、集中力を途切れさせることなく作業を加速させます。Agent HQにより、Julesはネイティブな作業担当者となり、マニュアル操作を合理化して日常の開発作業との摩擦を軽減します。GitHubとの深い連携で、開発者の手元でのコラボレーションがより自然に効率的に行えます」


ミッションコントロール:どこからでも操作できるコマンドセンター
Agent HQの中核となる「ミッションコントロール」( https://github.blog/changelog/2025-10-28-a-mission-control-to-assign-steer-and-track-copilot-coding-agent-tasks/ ) は、どこからでも操作できる統合コマンドセンターで、一貫したインターフェースのため、GitHub、VS Code、モバイル、そしてCLIでのAIエージェントのタスクを一つ一つ指示、監視、管理できます。ミッションコントロールを使えば、複数のエージェントから選択して並行作業を割り当て、あらゆるデバイスから進捗状況を把握できる設計です。

主な機能は以下の通りです。
  • 新しいブランチコントロールにより、エージェントが作成したコードに対してCIやその他のチェックをいつ実行するかを詳細に監視できます。
  • アイデンティティ機能により、チーム内の他の開発者と同じように、どのエージェントがタスクを構築し、アクセスとポリシーを管理するかを制御できます。
  • ワンクリックでマージ競合を解決できるようになります。さらに、ファイルナビゲーションの改善と、コードコメント機能が改善されます。
  • SlackとLinearの新しい統合が、最近発表されたAtlassian Jira、Microsoft Teams、Azure Boards、Raycastとの連携に並んで追加されます。
 
GitHub.comのミッションコントロール(デモビデオ)
こちらからご覧いただけます( https://x.gd/vefmd )(期間限定)

ミッションコントロールについて詳細はこちら(  https://github.blog/changelog/2025-10-28-a-mission-control-to-assign-steer-and-track-copilot-coding-agent-tasks/ )を参照ください。


VS Code の新機能:計画、カスタマイズ、接続をさらにシームレスに
ミッションコントロールはVS Codeにも搭載されており、Copilot CLIやGitHub上で実行中のすべてのエージェントの状態や進捗を、単一ビューで把握できます。

VS Codeの新機能として組み込まれているのは、開発者がエージェントと連携してプロジェクトに取り組める環境があるからです。成果を最大化するには計画が不可欠であり、プロジェクト開始時に適切なコンテキストを理解し、それを作業に反映することが重要です。GitHub Copilotは、ファイルやプロジェクト文化から学習し、チームの開発スタイルに適応しますが、より明確なコンテキストを必要とする場合もあります。

新たに導入された「Planモード」は、Askモード、Agentモードと並ぶ選択肢の一つです。Planモードでは、GitHub Copilotと連携しながら、開発タスクに対して段階的なアプローチを設計し、その過程で具体的な質問を行いながら、詳細を詰めていきます。事前にコンテキストを提供することで、GitHub Copilotの機能が向上し、コード実装前の段階でギャップや判断不足、プロジェクトの課題をより早期に把握できます。承認された計画はGitHub Copilotに送信され、VS Codeでローカルに実装するか、クラウド上でエージェントにより実装が開始されます。
VS Code のPlanモード(デモビデオ)
こちらからご覧いただけます( https://x.gd/vefmd )(期間限定)

さらに、より詳細な制御を実現するために、VS Code上でAGENTS.mdhttps://code.visualstudio.com/docs/copilot/customization/custom-instructions#_use-an-agentsmd-file-experimental ) を用いたカスタムエージェント構築にも対応しました。たとえば「このロガーを優先する」「すべてのハンドラーにテーブル駆動テストを使用する」など、明確なルールやガードレールを設定することで、毎回プロンプトを再入力せずにGitHub Copilotの動作を柔軟に制御できます。

また、GitHub MCPレジストリhttps://code.visualstudio.com/docs/copilot/customization/mcp-servers )がVS Codeから直接利用可能となり、MCP仕様を完全にサポートする唯一のエディタとして、Stripe、Figma、SentryなどのMCPサーバーをワンクリックで検出、インストール、有効化できます。専門性の高いタスクについては、GitHub Copilotでカスタムエージェントを作成し、独自のシステムプロンプトやツールを用いてGitHub Copilotの動作を定義することも可能です。 
VS Codeのミッションコントロール(デモビデオ)
こちらからご覧いただけます( https://x.gd/vefmd )(期間限定)


チームが自信を持ってAIを活用できる環境を実現
Agent HQは、AIの力を単に活用するだけでなく、自信を持って使いこなせる環境の提供も目指しています。コードの品質を担保し、AI がワークフローに与える影響を理解し、コードベースや組織とのやり取りをコントロールすることは、チームの成功に不可欠であり、GitHubはこうした課題の解決にも真正面から取り組んでいます。

コード品質に関する根本的な課題として、「LGTM(Looks Good To Me)」が必ずしもコードの健全性を保証するわけではないという現実があります。レビューが合格しても、コードベースの品質は低下し、長期的には技術的負債につながる可能性があります。

このような課題に対応するため、GitHubは、GitHub Code Qualityhttps://github.blog/changelog/2025-10-28-github-code-quality-in-public-preview/ ) を公開プレビューとして新たに発表しました。組織全体の可視性、ガバナンス、レポート機能を活用して、あらゆるリポジトリにおけるコードの保守性、信頼性、テストカバレッジを体系的に向上させることができます。これにより、GitHub Copilotのセキュリティチェックも拡張され、変更されたコードの保守性と信頼性への影響を分析できるようになります。

さらに、コードレビューステップが追加され、GitHub Copilotコーディングエージェントのワークフローに統合されました。GitHub Copilotが初期レビューを実施し、コードが表示される前に問題に対処します 。
 
また、Copilotメトリクスダッシュボードhttps://github.blog/changelog/2025-10-28-copilot-usage-metrics-dashboard-and-api-in-public-preview/ )の公開プレビューも開始しました。これにより、組織全体におけるGitHub  Copilotの影響度と重要な利用状況メトリクスが表示され、GitHub Copilotがどのように利用されているかを可視化することができます。

AIエージェントやMCPを含むAIアクセスを管理するエンタープライズ管理者向けには、一貫性のあるチーム向けのAIコントロールを備えたコントロールプレーンhttps://github.blog/changelog/2025-10-28-enterprise-ai-controls-the-agent-control-plane-are-in-public-preview/ )エージェントガバナンスレイヤー)を提供します。セキュリティポリシーの設定、監査ログ、アクセス管理の一元化を可能とし、許可されたエージェントの制御やモデルへのアクセスの定義、組織内のGitHub  Copilot利用状況のメトリクス取得も可能です。


「開発者のために、開発者によって」
GitHubは、自らも開発者コミュニティの一員であり、それがAgent HQを開発した背景のひとつです。ツールが本来の支援ではなく、かえって開発プロセスの妨げとなってしまう状況があることを、GitHubは深く理解しています。「AIによる支援」が、コンテキスト切り替えや作業の煩雑化、不要なサブスクリプションの増加、そして本来期待される価値を得るための過度な説明負担につながるとすれば、それは開発者にとって大きな課題です。

Agent HQは、AIのトレンドに追随するだけではなく、実際の開発現場において確かな成果をもたらすことを目的とした「現実的なソリューション」です。開発者に選択の自由を提供しながら、新たな時代に秩序とガバナンスをもたらし、より迅速かつ確信を持った開発を可能にします。

GitHubは今後も、プラットフォームへの投資と、開発者が日々のワークフローで利用する基本機能の強化に取り組み、すべての開発者が安心してAIを活用できる信頼性の高いプラットフォームを提供し続けてまいります。

GitHub Blog
英語:https://github.blog/news-insights/company-news/welcome-home-agents/
 
GitHubに関する情報は、こちら( https://github.blog/changelog/ )からもご覧いただけます。
Press Release:https://github.com/newsroom
Blog: (英語)  https://github.blog   (日本語)  https://github.blog/jp
X: (英語)  @github https://twitter.com/github  
     (日本語)  @GitHubJapan https://twitter.com/githubjapan

【GitHub について】
GitHubは、すべての開発者のためのグローバルなホーム(家)として、安全なソフトウェアの開発、拡張、提供の実現に向けた世界有数のAI搭載開発者プラットフォームです。グローバル企業の総収入ランキングトップ100の『Fortune 100』に名を連ねる90%以上の企業の開発者を含む1.5億人以上が、GitHubを利用し素晴らしい共同作業を行っています。GitHubが提供するあらゆるコラボレーション機能により、個人やチームはかつてないほど容易に、より速く、より良いコーディングを実現しています。また、77,000を超える組織がGitHub Copilotを導入しています。
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