京都産業大学 神山天文台、東京大学らの研究グループは、2つの赤色巨星(「アークトゥルス(うしかい座α星)」と「しし座μ星」)について得られた高精度なスペクトルから、近赤外線波長域における元素組成解析に適用できるさまざまな原子の吸収線カタログを作成した。
2つの赤色巨星の観測は京都産業大学神山天文台の荒木望遠鏡(口径1.3m)に「近赤外線高分散分光器WINERED(ワインレッド)」を搭載し行われた。WINERED(ワインレッド)の特徴である非常に高い感度と波長分解能により、多くの微弱な吸収線まで観測が可能になったことから、恒星の元素組成の測定に実用的な吸収線を従来よりも多く、かつ精度良く同定することができた。
今回確立した手法は様々な天体に適用することができ、特に可視光では観測が難しいガスや塵の多い銀河系中心方向の領域に存在する恒星の元素組成の解析が可能になり、銀河系の化学進化に関する新たな知見がもたらされると期待される。
むすんで、うみだす。 上賀茂・神山 京都産業大学
<関連リンク>
・近赤外線波長における原子吸収線カタログを作成し、恒星の元素組成を高精度に測定
https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20210526_859_winered.html
・京都産業大学 神山天文台
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