モビリティで生み出す、新しい「滞留」の空間
―三宿四二〇商店会×ヤマハ発動機 「三宿モバイルパークレット」―
企画・運営:4FRAMES・ヤマハ発動機株式会社
―地域団体との共創による社会実験-
ヤマハ発動機と三宿四二〇商店会は、3月26日・27日の2日間、世田谷区池尻の三宿通りにおいて、社会実験「三宿モバイルパークレット」を実施しました。
この社会実験では、モビリティメーカーであるヤマハ発動機と世田谷区三宿エリアでまちづくり活動や道路環境に関する問題解決を行う三宿四二〇商店会が共創し、道路空間の新しい使い方を検証しました。
―「パークレット」の広がりと課題―
近年、アメリカなどの諸外国において、車道のパーキングスペースを異なる用途で活用する「パークレット」という取り組みがなされています。車道にあるパーキングスペースにデッキやベンチなどが設置されることで、既存の空間が休憩スペース、カフェスペース、ワークスペース、さらにギャラリーなど、様々な表情を見せます。「パークレット」を日本にも取り入れようと全国各地で社会実験が行われていますが、道路交通法や施設の設置費用、管理など様々な課題が多く、広く普及するには至っていない状況です。
本社会実験では「パークレット」に関する諸課題に着目し、デッキやベンチなどの施設をヤマハ発動機のグリーンスローモビリティに置き換えた「モバイルパークレット」を提案しました。費用や設置の手間、管理の課題を解決するとともに、現行のパーキングスペースに車両を止めるというシンプルかつフレキシブルな方法によって、モビリティの滞留によって生まれる都市空間やまちづくりに対する新しい提供価値を検証しました。
―社会実験の様子と展望―
実験当日は行政許可を得て歩道の柵を外し、グリーンスローモビリティやキッチンカー、観葉植物などを設置しました。車道のパーキングスペースに設置されたグリーンスローモビリティ、歩道脇のベンチ、歩道、向かいの店舗までが一つの空間となり、通常の歩道と比べて広々とした印象の空間が形成されました。通りがかる方々は見慣れない空間に驚きつつも、「このような空間が身近に欲しい」「学校や各イベントなどのコラボレーションをしてはどうか」といった前向きな意見をくださり、道路空間の新しい使い方の可能性を実証することができました。
今後は、当実験結果を基に、道路空間とモビリティを活用したにぎわいの創出など、都市空間をよりフレキシブルに捉えたまちづくりに貢献していく予定です。