宇宙ビジネス分野における事業戦略について
1.宇宙ビジネスを取り巻く環境
近年の宇宙技術の発展による打上げコストの低減や、月への興味関心の拡大など、宇宙空間を活用したビジネス・サービスに関する企業参入が増え、宇宙がより身近な存在になってきています。日本政府においても、「宇宙基本計画」「宇宙安全保障構想」を公表し、「宇宙戦略基金」を創設するなど、宇宙事業を取り巻く環境が変曲点を迎えています。このような背景を踏まえ、宇宙ビジネス分野における注力領域を定め、事業開発と技術開発を加速するとともに、NTTグループ各社等の関連事業を有機的に繋げ、お客様の要望にあったソリューションを提供することで、宇宙ビジネス分野における事業拡大と、更なる市場開拓を促し、宇宙産業全体の発展に貢献していきます。
2.宇宙ビジネス分野において注力する領域
宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想において、自社の技術的な強みを活かし自前化を目指す領域と、新たな技術開発を行いつつパートナーとの連携でサービス化を加速する領域を戦略的に分け、それぞれの領域において市場創造・拡大をけん引する事業開発と技術開発の両方を実行していきます。
①自社の技術的な強みを活かし自前化を目指す領域
・GEO衛星を活用した領域
・観測LEO衛星および観測データPFを活用した領域
・高高度プラットフォーム(HAPS)を活用した領域
②新たな技術開発を行いつつ、パートナー連携でサービス化の加速を目指す領域
・通信LEO衛星を活用した領域
3. 宇宙ビジネス分野における新たなブランド設立
NTTグループ各社等は、宇宙分野における各社のサービス・事業を有機的に繋ぎ、お客様のニーズに合ったソリューションを提案することで、NTTグループ各社等の宇宙領域におけるビジネス強化およびシナジー効果創出と、宇宙分野の新たな市場開拓を目指し、新たなブランド「NTT C89」を立ち上げます。
①ブランド名称 / ロゴ
名称:
NTT C89(エヌ・ティ・ティ シー・エイティ・ナイン)
ロゴ:
NTTグループ各社等の宇宙分野における事業・サービス・研究開発などの取り組みを「星」と定義し、それぞれを有機的に繋げていくことで「新たに89個目の星座を作っていく」という想いをあらわしました。
※「NTT C89」は、商標登録を出願中です
※現在、天文学に用いられる星座の数は88です
②WEBサイト
2024年6月3日(月)より、NTTグループ各社等における宇宙ビジネス分野におけるカテゴリーブランド「NTT C89」に関するWEBサイトを立上げます。
「日本版」https://group.ntt/jp/aerospace
「英語版」https://group.ntt/en/aerospace
4. 今後の事業展開について
今後、NTTグループ各社等は、上記の「NTT C89」ブランドの下、様々なサービス・ソリューションを国内外に提供していきます。HAPSを活用した通信サービス提供開始や、地球観測事業者向けの衛星間通信(光データリレーサービス)の提供、観測衛星で撮影されたデータを活用したサービス拡充などを予定しています。また、海外衛星ブロードバンドサービス事業など外部パートナーとの連携によるサービス展開も含めて、お客様にベストミックスなソリューション提案できるように積極的に宇宙ビジネス分野のサービスラインアップ拡充を図っていきます。
<用語解説>
※1:宇宙統合コンピューティング・ネットワーク
2021年にスカパーJSATと共同で発表した構想。HAPS、静止軌道衛星、低軌道衛星を統合し、それらと地上を光無線通信ネットワークで結び、分散コンピューティングによって様々なデータ処理を高度化する、宇宙の新なICTインフラ基盤構築を目指す。