癒しと安らぎを与える庭〜自然と生きものと共存する豊かな暮らし〜
庭と生きものがもたらすウェルビーイング
皆さんは、身近な緑や生きものとふれあうことで、幸せを感じたり、心が満たされる経験をしたことがありますか。積水ハウスと東京大学の共同研究によると、在来種を中心とした植栽に囲まれた家に住み、庭に訪れるさまざまな生きものと頻繁にふれあう人は、うつ症状の発症リスクが20ポイント低く、高い幸福感や日々の生活の充実感を得ていることがわかりました。
※参考:「5本の樹」計画の在来種中心の植栽がウェルビーイングの向上に寄与 東京大学と積水ハウス、生物多様性と健康に関する共同研究についての最新分析結果を発表
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/topics_2024/20240709/
長い年月をかけて育てた癒しの庭
今回はそんな緑豊かなお庭で、さまざまな生きものとふれあい、共に幸福感を味わっている静岡県にお住まいのS様ご夫妻をご紹介します。S様が現在の土地を購入されたのは約22年前。お子様のご結婚を機に2世帯住宅にするためでした。車が4台停められる広い土地を探し、日当たりのいい現在の場所を選ばれました。
当初はお孫さんがまだ小さかったため、お庭は広い芝生に築山とシンボルツリーのヤマボウシが1本、周囲にはサツキが植えられ、走り回れる空間でした。しかし、お孫さんの成長とともに遊ぶスペースが手狭になり、ご夫婦での庭づくりが始まりました。
まず、庭の水回りをモダンにして和風から洋風に変え、大きな樹木に代わり、手がかからない自然形の樹を選んで自ら植栽していきました。妻のC様のお気に入りはヤマボウシとジューンベリーで、特にジューンベリーの幹の美しさがお好きだそうです。ジューンベリーとスモークツリーに囲まれた石造りの小道には、パーゴラから差し込む木漏れ日が美しい影を庭に落とします。この影を作り出しているのは、22年前から庭を見守るシンボルツリーのヤマボウシです。
右:木洩れ日が美しいパーゴラと、幹肌の模様が美しい魅力的なジューンベリーの樹(右端)
他にもオリーブ、ミモザなどがお庭を彩ります。ジューンベリーは、春の桜と同じ時期に白い花を咲かせ、その後花びらが落ち、6月頃には赤い実がなります。
妻のC様は「ジューンベリーの実で毎年ジャムを作ります。花を楽しみながらジャム作りもできて、とても楽しいです。ゆずもたくさん実るので、なますを作ったりお風呂に入れたりしています。ミモザは花が少ない季節に黄色い花が咲きとても美しく、ドライフラワーにもできるんですよ。」と楽しそうに教えてくれました。
「二人で育てやすい小さな苗木を選んで植えてきました。私は草取りや花のお手入れを担当し、主人は植え替えや肥料を与えてくれます。派手なものよりも自然な感じが好きです。お風呂から見える坪庭には、モミジ、マンリョウ、足元にはヤマアジサイ、ジュウニヒトエ、イワダレソウが植えられ、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。モミジは枝が細くて成長が遅いので、私たちには育てやすいですし、何より葉が黄緑色でとても美しいです。」と、C様は幸せそうに語ります。
生きものたちが集う自然の楽園
お庭を楽しんでいるのはS様ご夫婦だけでなく、さまざまな生きものたちも同じです。玄関に置いた大きな水鉢には、ジョウビタキが水浴びにやってきます。ヤマボウシには巣箱を設置しており、シジュウカラが毎年卵を産んで巣立っていきます。
「親鳥が巣箱を何度も行き来して餌を運ぶ様子を見守っていると、小鳥の声がだんだん大きくなり、『そろそろ巣立ちの時期かなあ』と思います。そして、羽の音などを聞きながら見守る中、小鳥たちが順番に次々と飛び立つ様子を見ていると、感動すると同時に少し寂しい気持ちにもなります。メジロはツバキやサザンカの蜜を目当てにやってきますし、冬には輪切りにしたミカンを設置しておくと、それを食べに来てくれます。また、ヒメシャラの樹には、うまく隠れるように丸い巣を作っていました。枝にひもをしっかりつけ、鉢植えの苔を巣の中に運んでクッションにしているんです。自然のものをうまく利用して作るのには『頭がいいなあ』と思いますし、まるで芸術作品です!」と、C様は感慨深げに語ります。
人生を豊かにする庭づくり
S様ご夫妻のお庭の目標は「癒しと安らぎ」。毎日のお手入れをしながら、心地よい時間を楽しんでおられます。「『ここにはこれを植えたらどうかな』と、次々にアイデアが浮かんできます。これで満足かなと思っても、また新しいアイデアが出てくるんです。それも楽しみの一つですね。」と、笑顔で妻のC様は話されていました。
積水ハウスの庭づくり 「5本の樹」計画
https://www.sekisuihouse.co.jp/kodate/spec/environment/fivetree/