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実践女子大学(東京都日野市、難波雅紀学長)の学生は授業の一環で、多摩都市モノレール株式会社(東京都立川市、奥山宏二社長)などと協力し、廃棄処分になる使用済みの制服などを利用したアップサイクルに挑戦しました。企業の悩みを、デザインを学ぶ学生が解決すると共に、縫製を障がい者が担うことで障がい者支援にも貢献する取り組み。完成したバッグやポーチ、ペットボトルホルダーは、日野キャンパスでの学園祭「常磐祭」(11月9、10日)と、立川市のモノレール車両基地で多摩都市モノレールが主催する「多摩モノまつり2024」(同16日)で展示販売されます。
素材生かしてショルダーバッグ、ペットボトルホルダー、ポーチ。常磐祭と多摩モノまつりで展示販売へ
作品は、ショルダーバッグやペットボトルホルダー、ポーチの9種類。秋冬のトレンドを意識した大型のバッグのほか、子供から大人まで幅広い世代で使用できるポーチ、ホルダーを折り曲げることでサイズの違うペットボトルを収納できるように工夫したペットボトルホルダーなどがあります。
昨年8月、多摩都市モノレールから「廃棄予定の制服や作業着を使って、SDGsの活動を一緒にできないか」と大学側に声掛けがあり、生活科学部生活環境学科の滝澤愛准教授のゼミ生9人が今年春から本格的にアップサイクル品の製作を始めました。
まず、多摩都市モノレールから使用済みの作業着、制服、ワイシャツ、ネクタイを、名古屋市の繊維専門商社「瀧定名古屋株式会社」からの未利用・廃棄予定生地の提供を受け、ゼミ生が素材を選んでバッグなどをデザインし、試作品を作成。サンプルは福祉施設「名古屋市身体障害者福祉連合会第一ワークス・第一デイサービス」(名身連)に送られ、ベルトの長さを調節可能に変更するなど施設の担当者からの細かい指摘を反映させ、そこで就労する障がい者が縫製をしました。
素材を提供する企業、アップサイクルのアイデアを提供する学生、縫製する障がい者のサイクルが継続できるようにするため、工賃を支払っても利益を生み出せる「売れる商品」を目指しました。そのため、作業着の胸ポケットやワイシャツの前側のボタンの形状を生かしたデザインにこだわり、接着剤が吹き付けられた布(接着芯)を貼って型崩れを防き、実用面での工夫も凝らしました。完成した計62点の作品は、同じ形状のバッグでも、ベルトの部分の素材が違うなど一点ものばかりです。
50年代をイメージしてアップサイクルのファッションショーも
また、常磐祭では、展示販売とは別に、50年代のファッションをイメージした学生のファッションショーも企画しています。この服も、多摩都市モノレールから提供された制服・作業着が使用されているほか、瀧定名古屋株式会社からの未利用・廃棄予定生地、日野市の支援を受ける市民活動団体「ひの市民リサイクルショップ回転市場」からの市民の廃棄衣料が用いられ、学生がアップサイクルファッションに挑戦しました。
工夫さまざま。学生のコメント
学生のコメントからは、初めてのアップサイクルによる商品作りの創意工夫の努力が見られます。大型のショルダーバッグを製作した山本果さん(3年)は「たくさんあったポケットを再利用したのが特徴です。鉄道ファンがカメラを入れられるようにとサイズは大きめにし、丈夫な作りにしました。将来の夢は自分のファッションブランドを作ることなので、良い勉強になりました」と成長した様子。ペットボトルホルダーを製作した弓削美晴さん(3年)は「作業着の袖口を使って作品を作りました。500ミリリットルのサイズばかりでなく、子供でも使えるよう、小さいサイズも入れることはできないかと考え、袖口のボタンをはずして折ることでホルダーのサイズを調整できるように工夫しました。自分以外の目線で商品を考えることを身につけていければと思います」と話し、気づきを得ていました。ポーチを製作した矢島沙也佳さん(3年)は「ベルト部分の長さを調節できるようにすれば利便性が上がると指摘を受け、金具を取り付け、大人から子供まで使えるようにしました。お子さんが使うことも考え、夏用の作業着を素材として選びました。高校の家庭科の教員を目指しており、売れる商品を作るという観点で将来授業をできたらと思います」と夢を描いていました。
滝澤准教授 「学生にはサステナブルな観点を身につけてほしい」
滝澤准教授はもともと、自身のゼミで、瀧定名古屋株式会社と名身連の協力を得て地道にアップサイクル品の製作を続けてきました。協働は2020年からで、今回、新たに多摩都市モノレールが加わり、活動の範囲が拡大した形です。指導した滝澤准教授は「代表的な環境汚染産業といわれているファッション業界では、どの企業もサステナブルに対する意識は高くなっています。教育の中でも当然、持っていなければならない観点で、学生にはその感覚を身につけてもらいたいと考え、継続的に取り組んでいきたいと思います」と話しています。
一方、多摩都市モノレールの担当者は「廃棄される予定だった当社の被服が、学生の皆さんの勉学に役立ったのであれば、大変うれしく思います。そういった点でも今回は、環境配慮や廃棄物の削減というだけでなく、沿線地域内の連携としても非常に良い取り組みであると感じています。今後とも、持続的な発展に向けた地域連携の活動として、貴学と一緒に取り組んでいければと考えています。当社の被服がどのように生まれ変わったのか、作品を見るのが楽しみです」と話しています。
【イベントの概要】
第68回 日野キャンパス学園祭「常磐祭」
2024年11月9日(土)、10日(日)10:00~16:00
【ファッションショー】 11月9日(土)
第1部11:30~(開場11:10)
第2部12:30~(開場12:10)
第3部13:30~(開場13:10)
【作品展示】11月10日(日) 10:00~16:00
【物 販】11月 9日(土) 12:00~16:00
11月10日(日) 10:00~16:00
実践女子大学・実践女子大学短期大学部
日野キャンパス(東京都日野市大坂上4-1-1)
URL
https://www.jissen.ac.jp/students/tokiwa/hino/index.html
開業25周年記念企画「多摩モノまつり2024」
2024年11月16日(土)10:00~15:00
多摩都市モノレール株式会社
車両基地(東京都立川市泉町1078-92)
URL
https://www.tama-monorail.co.jp/2024/10/tamamono-festival2024.html
※主な商品の販売価格は、大型ショルダーバッグ(6000円)、ポーチ(4000円)、ペットボトルホルダー(2500円)。なお、常磐祭では特別価格で販売します。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人実践女子学園
経営企画部 広報課
住所:〒191-8510 東京都日野市大坂上4-1-1
TEL:042-585-8804
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/