東京大学とアルプスアルパイン株式会社との共同研究開始
アルプスアルパイン株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役 社長 CEO:泉英男、以下「アルプスアルパイン」)は、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻 中辻知教授の研究グループ(以下、東京大学)とトポロジカル磁性体の巨視的量子効果を用いた小型で世界最高レベルの磁気分解能をもつ磁気センサーの開発に向け、2025年2月に社会連携講座を設置し共同研究を開始しました。
背景
アルプスアルパインはセンサー・コミュニケーション事業を成長ドライバーとして位置付け、2025年4月より開始する第3次中期経営計画の中でセンサー領域への戦略投資を計画しています。センサー領域の中でも磁気センサーは車載、スマートフォン、産業ロボット、医療機器など多岐にわたるところで使用されており、世界の市場規模は2023年に42億米ドルを達成し、2032年までに78億米ドルに達すると予想されています。※3
本活動の概要
・講座名称:トポロジカル量子センシング
・研究目的:常温で小型な世界最高レベルの分解能をもつ量子センシングを研究
・研究内容:センサーに応用可能なトポロジカル材料とセンシング機構の研究
・活動期間:2024年11月から2029年10月末までの5年間
今後の展望
磁気センサーは、極めて微弱な磁場の変化をとらえる高分解能な測定が可能です。アルプスアルパインの現行磁気センサーは800pT程度の磁気分解能を持ちますが、東京大学が研究しているトポロジカル磁性体を用いることで、現行比1000倍以上(当社比)の高分解能化が可能となる見込みです。これにより、従来では検出できない小さい磁場の測定が可能となり、潜在的な不良検知や病気の早期発見など、産機・医療市場に対する新しい事業創出の実現を目指します。更に、今後のAI分野に必要な量子コンピューティングに向けて、磁気センサー以外のスピントロニクスデバイスへの応用にも期待ができ、新規市場創出を行っていきます。
以上
※1 物質の内部や表面において、通常の物質とは異なる特別な量子的性質を持つ材料のこと。特に磁性体においては、巨大なホール効果など巨視的な量子効果が現れる事が知られる。
※2 固体中の電子が持つ電荷とスピンの両方を工学的に利用、応用する技術のこと。
※3 参照:株式会社グローバルインフォメーション 磁気センサー市場| 市場規模 成長性 産業動向 予測 2024-2032年 【市場調査レポート】