銀座 蔦屋書店(東京都 中央区 GINZA SIX 6F)では、店内アートスペースFOAM CONTEMPORARYにて、鈴木拓良、藤本まり子、金和司、川植隆一郎、末弘裕一、雨宮ホザナ栄輝によるグループ展「Parallel City — 6 Artists, 1 Studio, Infinite Worlds —」を2025年8月30日(土)~9月17日(水)の期間に開催します。
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https://store.tsite.jp/ginza/event/art/49326-1723520820.html
概要
本展に参加する6名のアーティストは、ニューヨークを拠点に国際的に活躍する現代美術家・松山智一氏が主宰する「MATSUYAMA STUDIO」に所属しています。彼らはニューヨークで松山の作品制作に深く携わりながら、その一方でそれぞれが独自の視点と表現を探究し、アーティストとしての活動も続けてきました。
鈴木拓良は、花や果物を通して「人生や時間には限りがある」という感覚を描いた17〜18世紀の静物画の視点を手がかりに、古典絵画の構図や質感を用いながら、現代のモチーフで「限りある時間」を描き出そうとしています。過去と現在を同じ画面に置き、失われつつある死生観を今に問い直します。
藤本まり子は、日常の風景や想像の世界、美しい自然や人間の感情の深層や哲学・宇宙の理などを混ぜ、人物画として描いています。自身の作品が、懐かしさや人生の本質的な側面への想いを馳せるきっかけとなることを目指しています。
金和司は、ニューヨークのクラブシーンから深く影響を受けており、DJが即興で音や光を操るように、光、音、時間、空間、色彩をキャンバスの中で表現しています。本展で発表する新作では、この表現方法に加えて、オルフィスムと言う1920年代にパリで花開いた芸術運動の鮮やかな色彩や幾何学的な万華鏡の構図を融合させています。
川植隆一郎は、日常でふと出会う小さな気づきや違和感を、記号や記憶による視覚的な比喩群へと置き換え、キャンバスに描き出します。 それは、シュールレアリズム(超現実主義)の継承と更新であり、 普遍的な問いかけに対する現代の姿を映し取る試みともいえます。
末弘裕一は、感情の余白や記憶の微かな気配をたどり、キャンバス上に繊細に紡ぎ出しています。「深くて優しくて、透明な青」で描かれた作品は、透き通り、深海の底や朝焼け前の空を彷彿とさせます。絵画、言葉、物質、風景を通じて、「触れられそうで触れられないもの」を表現し、鑑賞者の小さな共鳴を生み出すことを目指しています。
雨宮ホザナ栄輝は、沈黙の中に人の心を表現するということを追求しています。言葉で伝えきれないものを人物を描くことで表し、人も人の心も単純な記号ではなく、現実的な痛みを伴う生々しいものだということを絵画を通して伝えています。それらの作品には、踏み躙られるべきではない優愛の心が、守られる世界になってほしいという願いが込められています。
本展のタイトル「Parallel City」は、日本にルーツを持ち同じスタジオで制作を重ねる彼らが、互いに刺激を受けながらも、それぞれ異なる芸術的アプローチを探究している姿を象徴しています。その多様な表現は、まるでひとつの都市の中にありながらも、独立して響き合う並行世界のようでもあります。国際的な環境の中で、日々芸術に向き合う6名のアーティストによる作品群を、ぜひ会場にてご覧ください。
本展に寄せて
眠っている時に起きていて、太陽が昇ると同時に月も姿を現す。
異なる風景を見つめながらも、同じ時を生きている。
「Parallel City」は、作家 松山智一のMATSUYAMA STUDIOに集い、日々松山智一作品の制作に携わる6名のアーティストによるグループ展です。全員が日本にルーツを持ち、ニューヨークを拠点に活動を続けながら、同じアトリエ空間で筆を重ねています。
しかし、彼らの個人作品には、それぞれの記憶、視点、問いかけが色濃く現れ、スタイルも表現手法もまったく異なります。
本展では、記憶のなかで交差し、混ざり合った都市のかたちが、それぞれのキャンバス上に放出されるように、6つのまなざしが並列に広がります。共に働き、共に過ごしながらも、決して重ならない6つの世界。
それは、まるでひとつの都市のなかに存在する、互いに交わらない並行世界(パラレルシティ)のようです。
MATSUYAMA STUDIO
松山智一コメント
日々の制作を共にしているからこそ見える彼らの感性や個性を、こうしてひとつの展示として紹介できることを、心から嬉しく思います。
アーティストプロフィール
1996年 東京都生まれ
2019年 Indiana University 絵画専攻 卒業(インディアナ、米国)
2021年 Washington University in St. Louis 視覚芸術専攻 修了(ミズーリ、米国)
現在、ニューヨークを拠点に活動を続ける
主な個展・グループ展
2025年「In Praise of What Fades」(Paul Smith New York, ニューヨーク)
2025年「Exaltation」(Plato Gallery、ニューヨーク)
2025年「Echo Chamber」(The Hole、ニューヨーク)
2024年「The Brooklyn Artists Exhibition(Brooklyn Museum、ニューヨーク)
2024年 2人展「Where Time Stands Still」(N Project/大阪)
藤本まり子(ふじもとまりこ)
1991年 東京都生まれ
2014年 多摩美術大学 美術学部 絵画学科 油画専攻 卒業
2021年に渡米、現在ニューヨークに在住し、ニューヨークや東京でアーティストとして作品制作・発表を続ける
主な個展・グループ展
2025年「BREATH」(N project、大阪)
2024年「MATSUYAMA STUDIO TOUR」(NOW HERE NYC & Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年「In the Blur of Boundaries」(Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年「THE BUSHWICK OPEN STUDIOS 2024」(Mr.Kills 、ニューヨーク)
2024年「海のふた」(NOW HERE NYC、ニューヨーク)
2024年「松山スタジオの5人の作家たち」(弘前れんが倉庫美術館、弘前)
2024年「The Otherworldly Vessel」(Space 776、ニューヨーク)
2022年「The Old Story of my Father and Mother」(NR / ニューヨーク)
2022年「Divided Perspective」(NR / ニューヨーク)
金和司(かなわつかさ)
1986年 愛知県生まれ
現在、ニューヨーク州ブルックリン在住・活動
主な個展・グループ展
2025年「Where Time Stands Still」(N Project Nukaga、大阪)
2024年「Five Artists From Matsuyama Studio」(弘前れんが倉庫美術館、弘前)
2024年「Before and After the Shift」(Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年「In the Blue of Boundaries」(Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年「In Focus」(5-50 Gallery、ニューヨーク)
2022年「New Technopolice」(Nepenthes New York、ニューヨーク)
2019年「Lights Behind The Imagination」(Kinfork 94、ニューヨーク)
1994年 大阪府生まれ
2018年 富山大学芸術文化学部 卒業
2023年 Matsuyama Studio(ニューヨーク)にペイントスタッフとして渡米。現在ニューヨーク・ブルックリンを拠点に制作活動を行う
主な個展・グループ展
2025年 グループ展「Never Growing Up」(Gallery 128、ニューヨーク)
2024年 グループ展「Lid of the Sea」(NowHere、ニューヨーク)
2024年 個展「Drifting in Life」(DRIP DROP Cafe、ニューヨーク)
末弘裕一(すえひろゆういち)
1985年 埼玉県生まれ
2010年 東京芸術大学大学院 絵画科 油画技法・材料研究室 修了
2023年8月 ニューヨークに拠点を移し、独立したアーティストとして本格的に活動を開始
主な個展・グループ展
2025年 二人展「Tomorrow, Without US」(Gallery 128、ニューヨーク)
2024年 二人展「What time is it here and where are we now?」(For the Record、ニューヨーク)
2024年 グループ展「Before and After the Shift」(Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年 三人展「Lid of the Sea」(NowHere、ニューヨーク)
2023年「Memory」(Cafe Grumpy、ニューヨーク)
2023年「STEAMPUNK」(Cafe Grumpy、ニューヨーク)
1999年 オレゴン州生まれ
2023年 多摩美術大学 絵画科油画専攻 卒業
在学中に学芸員資格を取得
主な個展・グループ展
2024年(Café Grumpy Fashion District 、ニューヨーク)
2024年「Before and After the Shift」(Matsuyama Studio、ニューヨーク)
2024年「Home Away From Home」(Tenri Cultural Institute 、ニューヨーク)
2023年「五美大展」(新国立美術館 、東京)
販売について
展示作品は、会場にて8月30日(土)11:00より販売します。
※プレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
展示詳細
グループ展「Parallel City — 6 Artists, 1 Studio, Infinite Worlds —」
会期|2025年8月30日(土)~9月17日(水)
時間|11:00~19:00 ※最終日は18:00までとなります。
定休日|月曜日 ※※9/15(月・祝)も休廊となります。
プレビュー|8月29日(金)18:00~20:00 ※どなたでも入場可能です
会場|FOAM CONTEMPORARY
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
協力|MATSUYAMA STUDIO
特集ページ|
https://store.tsite.jp/ginza/event/art/49326-1723520820.html
FOAM CONTEMPORARY
柔軟な企画内容をイメージする〈液体(LIQUID)〉と、従来のホワイトキューブとしての設備を完備した空間〈個体(SOLID)〉を掛け合わせ、中間的な様態“FOAM”という名のもと、⽇本のアートシーンを多⾓的に映し出す表現空間。
時代のアクチュアリティーに寄り添いながら、ライフサイクルを超えたところにあるアートの価値や醍醐味を探求、醸成する表現空間として、キャリアや年齢を問わず注⽬すべき様々なアーティストを紹介していきます。
Instagram|
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銀座 蔦屋書店
本を介してアートと⽇本⽂化と暮らしをつなぎ、「アートのある暮らし」を提案します。
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CCCアートラボ
CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
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