クローゼットやWICに布団を収納している人のうち約6~7割は、上部にある棚の上に置いていることもわかりました。中段にある棚の上は約3割、床の上は約2割という結果になりました。
収納方法は、「コンパクトにまとまる収納ケースや収納袋」43.5%、「圧縮袋」21.0%などを使用して省スペースで収納している人が多いようですが、「そのまま収納している」人も28.2%にのぼります。
今回の調査では、フルタイム共働き世帯、とくに子育てファミリーは、衣家事が満足にできていないと感じている人が多いことがわかりました。そのような中で、時短や家事負担軽減につながる衣類の「ハンガー収納」や「家事室や干す場所の近くの大型収納」に対する実施意向が高いことも明らかになりました。忙しい毎日の中で、できるだけ効率的に家事を済ませたいというニーズが読み取れます。
また、布団を使っていない時はWICやクローゼットに収納している人が多いこともわかりました。衣類や布団など、クローゼットの限られたスペースにしまうものがたくさんある中で、コンパクトにまとまる収納ケースや袋を活用している人も少なくありません。
積水ハウスでは、衣家事や収納を効率よくこなすための、住まいづくりや生活提案を行っています。そこで今回は、衣家事の時短や負担軽減、収納の空間有効活用につながるTipsをご紹介します。
1)洗濯から収納まで、家事を行う場所と動線を整えて
「洗う、干す、取り込む、たたむ、しまう」― 家の中を行ったり来たりしなくてすむよう、なるべく近い場所で行う工夫をしてみましょう。
場所を考えるうえでとくに見落としがちなのが、室内の干し場とたたむ場所。天気や生活リズムに左右されずいつでも気兼ねなく干せる室内の干し場は、洗濯機の近くがおすすめです。脱水後の衣類は乾いているときの 1.4 倍の重さになるため、重いものを運ぶ負担が軽減されます。室内の干し場は湿気がこもらないよう、風通しに配慮したり、扇風機や除湿器を利用したりできるとよいでしょう。
たたむ場所は、干す場所やしまう場所の近くに作業台を設ければ、ちゃちゃっと手早くたたんでしまえます。しまう場所は、リビングや寝室という人が多いかもしれませんが、干す場所やたたむ場所の近くに衣類をしまえる大型収納があれば、家事動線が最短に。これから住まいづくりをされる人は検討してみてくださいね。
2)充実のウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットを収納力だけでなく、おしゃれを楽しむ、便利で楽しいワクワクする空間に仕上げてみませんか。例えば、全身チェックに便利なミラー付の収納扉やドレッサーなどを組み込めば、ドレスアップ、メイクアップがまとめてできる空間に。
また、手持ちの服を一挙に見渡せると、自分の服の把握やコーディネートがしやすくなります。季節ごとや、仕事用、お出かけ用といった種類別+色別にわけておくのもおすすめです。
服の仮置きスペースを設けると、コーディネーションや帰宅後の一時掛け用に便利ですよ。
3)布団はコンパクトに収納して、クローゼットの空間を最大限活用
とくにベッド就寝のお住まいでは、押し入れや納戸、クローゼット内に布団をしまうための中段(腰から胸ほどの高さの奥行のある棚)を設置していない人も多いのではないでしょうか。そのようなお住まいでは、季節外の布団や来客用の布団などは、コンパクトにまとまる収納ケースや収納袋などを活用し、枕棚(高い位置の棚)に省スペースで収納しましょう。そうすることで、クローゼットの空間を最大限に活用でき、ハンガー収納のためのスペースを広く確保することも可能になります。
住生活研究をはじめとする住まいの専門家 河﨑由美子メッセージ
積水ハウスでは、使いやすく暮らしにフィットする収納計画を考えるために、3つの視点に着目しています。
量…持ち物の多い少ないから必要な収納スペースを考える
場…どこに何を収納するかを暮らし方に沿って考える
形…どんなスタイルで収納するのか、物の特徴・大きさに合わせた収納スタイルを考える
この中で最も普段の暮らしやすさに影響があるのは「場」です。そのためには、使う場所に収納のための空間を確保するようにしてください。また、衣類収納は今の量だけを考えるのでなく、5年後、10年後のご家族をイメージして、その変化に対応できる収納量を考えることが大切です。着るときにすっと服を選ぶことができる毎日の幸せをぜひ大事に考えてみてください。
積水ハウス株式会社 フェロー 河﨑由美子
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。
執行役員、住生活研究所長を経て2023年4月より現職。一級建築士。
<「衣類・布団収納調査(2024年)」調査概要>
■調査実施:積水ハウス 総合住宅研究所
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:・居住地域:全国
・性別・年齢:男女 20歳以上
・持家戸建・注文住宅 / 築年数1年以上10年以内
・衣家事(洗濯・収納)を主体的に行っているかつ衣類・布団収納について主体的に
管理している人
■回答者数:828件(夫婦の就業形態3種類×家族形態5種類で割付)
■実施期間:2024年10月15日(火)~2024年10月17日(木)
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス株式会社 総合住宅研究所」による調査である旨と、引用元調査「衣類・布団収納調査(2024年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事
(
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20251010/)へのリンク追加をお願いします。
<積水ハウスの住生活研究について>