株式会社アミノアップ化学の機能性素材AHCCに関する新たな研究成果が、2013年2月9日(土)から12日(火)までフェニックス(米国アリゾナ州)で開催された米国静脈経腸栄養学会(ASPEN:American Society for Parenteral and Enteral Nutrition)2013にて発表しました。
■研究発表概要
演 題 名: マウス5-FU持続静注モデルにおける腸管免疫低下のAHCCによる予防効果
発 表 者: 東京大学、雨森俊介医師ら
<要 約>
がん化学療法の進歩に伴い、生存時間の延長・治癒率の向上が期待されているが、副作用によって化学療法の中止を余儀なくされたり、QOLの低下を招いたりする危険性も高い。
そこで各種免疫賦活効果が報告されているAHCCが、腸管免疫の改善効果を有するか否かの検討を試みた。雄性マウスを通常食摂取群(Control群)、0.4% AHCC含有食摂取群(AHCC群)の2群に分け、7日間各食餌を自由摂食させた後、5日間5-FUを持続静注した(10 mg/kg/day)。その後、全小腸を採取し、腸管免疫の誘導器官であるパイエル板を摘出、パイエル板からリンパ球を分離、細胞数を測定した結果、リンパ球数平均値は、Control群と比較してAHCC群が多い傾向(p=0.08)を認めた。これより5-FU投与時の腸管免疫低下に対して、AHCCによる改善効果が期待される。
演 題 名: 乳がん補助化学療法の有害事象に対するAHCCの影響に関する探索研究
発 表 者: 東京大学、宮路天平ら
<要 約>
2004年10月から2011年3月までの期間に、抗がん剤による治療を受けた乳がん患者を対象として、治療中にAHCCを服用した患者18名と服用しなかった患者23名の抗がん剤副作用の種類や重症度を比較した。
その結果、AHCCを服用した患者群では、細菌やウイルスの感染から防御する働きをもつ白血球の一種である好中球の減少を抑制する可能性が、G-CSFの使用頻度から示唆された。
これより、AHCCが患者のQOL維持に貢献する可能性が示された。また、AHCCは化学療法中の乳癌患者の肝機能および脂質代謝に悪影響をおよぼさないことが判った。今後の検証試験の実施が待たれる。
演 題 名: 線虫C.elegansの寿命およびラット肝細胞の一酸化窒素(NO)産生に与えるAHCCの影響の比較解析
発 表 者: 立命館大学、奥山哲矢ら
<要 約>
AHCCは、抗炎症効果や抗酸化効果をもち、免疫系を活性化させることが報告されている。我々は線虫にAHCCを与えて寿命に与える影響を検討したところ、AHCCは線虫の高温ストレスへの耐性(35℃での熱耐性)を著しく増強し、平均寿命を延長させることを見出した。
さらにAHCCによる熱耐性の増強には熱ショック遺伝子を活性化する転写因子の関与が示唆され、線虫の寿命と肝細胞でのNO産生誘導抑制との相関がある可能性も示唆された。
■米国静脈経腸栄養学会(ASPEN)
会期: 2013年2月9日(土)~12日(火)
場所: フェニックス(米国アリゾナ州)
経口および経腸栄養に関する臨床栄養と代謝科学の実践を進めて患者ケアを改善する目的で、1976年に米国に設立された学際的な組織です。
世界中から栄養サポート、臨床診療、研究、教育のあらゆる方面より、5,500人以上の栄養士、看護師、薬剤師、医師、研究者、その他の医療従事者のコミュニティで形成され、年次総会、臨床栄養ウィークは、科学的および専門的な栄養サポート研究と臨床における実践を行っています。
また、ガイドライン、出版物や教育プログラムを含め、安全で効果的な患者ケアを行うための様々なリソースを公開し、栄養サポート科学の進歩におけるイノベーションもサポートしています。
http://www.nutritioncare.org/Clinical_Nutrition_Week/Clinical_Nutrition_Week/
1984年設立以来、「身近な天然素材から健康に役立つ製品をつくる」という理念のもと、科学的に裏付けられた機能性の高い素材の開発を行っています。
主力製品のAHCCは、独自の大型タンク培養法、抽出技術を確立して製品化され、世界十数か国に輸出され、国内外の多くの医療機関で治療の補助として使用されています。
2011年9月に工場と事務所棟を新設。事務所棟は「エコハウス棟」と呼ばれ、太陽光発電、地中熱ヒートポンプ、雪冷房システムなど70項目の環境技術を導入し、CO2排出量50%削減を達成しています。
詳しくはウェブサイト(http://www.aminoup.co.jp)をご覧ください。
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