◆関西大学災害心理学研究室(元吉忠寛教授)が分散避難に対する調査を実施◆~居住性・快適性の高い安全な場所の活用が重要と指摘 ~



 このたび関西大学社会安全学部の災害心理学研究室(元吉忠寛教授)は、2020年台風10号の接近に伴い大きな被害予測が出た九州に在住の成人を対象として、避難に対する行動実態や意識をたずねるインターネット調査を行いました。その結果、台風10号接近時に「自宅以外の場所に避難した」と回答した187人のうち、「指定された避難所」には67人(35.8%)、「親戚の家」には52人(27.8%)、「知人や友人の家」には13人(7.0%)、ホテルや旅館には35人(18.7%)が避難したという実態が明らかになりました。




【本件のポイント】
・調査対象者のうち、自宅以外の場所に避難したと回答した人は187人(13.4%)だった
・避難先として、親戚の家(27.8%)、知人や友人の家(7.0%)、ホテルや旅館(18.7%)も選択された
・命を守るために安全な場所として、「ホテルや旅館」と回答した人は364人(26.0%)もいた



 本調査は、インターネット調査会社に登録している九州の7県(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)の成人のモニターのうち、自宅が持ち家(一戸建て)で、台風や集中豪雨によって浸水することが「ある」または「わからない」と回答した人1,400人を対象として実施しました。

 台風が接近したときに避難する必要があるかどうかをたずねたところ、「自宅以外の場所に避難する必要がある」と回答した人は521人(37.2%)、「自宅にとどまっても安全なので避難する必要はない」と回答した人は502人(35.9%)、「わからない」と回答した人は377人(26.9%)でした。

 また、台風10号の接近に伴い、「自宅にとどまった」と回答した人は1,213人(86.6%)、「自宅以外の場所に避難した」と回答した人は187人(13.4%)でした。避難先については、「指定された避難所」が67人(35.8%)、「親戚の家」が52人(27.8%)、「知人や友人の家」が13人(7.0%)、「ホテルや旅館」が35人(18.7%)という行動実態が明らかになりました。また、避難先で困ったことをたずねたところ、「指定された避難所」では、空調・トイレ・空間・プライバシーなどの設備に関することが多く挙げられました。対して「親戚の家」、「知人や友人の家」、「ホテルや旅館」では、「特に困ったことはなかった」という回答が比較的多く挙げられました。

 さらに、台風や豪雨などの災害リスクが迫ったとき、自身の命を守るために一番安全な場所はどこかたずねたところ、「指定された避難所」と回答した人が457人(32.6%)ともっとも多かった一方で、「ホテルや旅館」と回答した人も364人(26.0%)いました。

 元吉教授は「新型コロナウイルス感染症予防のために分散避難が呼びかけられたが、もともと避難所の居住性・快適性は低く、避難を躊躇させる要因になっている。今回の調査で多くの人がホテルや旅館に避難したいと考えていることが明らかになった。立地、費用負担、収容人数など難しい問題もあるが、今後はホテルや 旅館など居住性・快適性の高い安全な場所を活用することによって避難する人を増やす工夫を積極的にしていく必要がある」と指摘しています。


[報道機関の方]
詳細な分析資料がご入用の場合は、元吉教授もしくは関西大学広報課(kouhou@ml.kandai.jp)までご請求ください。




【本件の取材は下記まで直接お問い合わせ下さい】
関西大学社会安全学部 教授 元吉 忠寛(もとよし ただひろ)
E-mail:motoyosi@kansai-u.ac.jp  TEL:072-684-4160







▼本件の詳細▼
関西大学プレスリリース
https://www.kansai-u.ac.jp/ja/assets/pdf/about/pr/press_release/2020/No35.pdf






▼本件に関する問い合わせ先
総合企画室 広報課
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FAX:06-6368-1266
メール:kouhou@ml.kandai.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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