「手のひらを画像認識したら、どんなことができるか考えてみよう!」と加藤さん
企業で活躍するエンジニアが直接指導
「手の動きを認識することができたら、どんなことができるようになるんだろう? プログラミングの技術よりも、できる限り発想を膨らませていけるようなテーマの中で学んでもらいたいと考えました」
画像認識された手のひらを見せながら、モニターの向こう側にいる中高生に語りかけているのは、当社制御システム開発部の加藤毅さん。加藤さんは、静岡県が実施する「ジュニアプログラミングキャンプ in 静岡」のメンターとして、県のプログラミングコンテストで優秀な成績を収めた中学3年生と高校2年生の2名の指導を担当し、自作の教材とカリキュラムを使ってプログラミングスキルの向上を支援しました。
同オンラインキャンプは、将来が期待されるジュニアプログラマーに、事業の最前線で活躍する企業エンジニアが直接指導を行う取り組みです。モビリティの自動運転技術の開発に取り組む加藤さんも、画像認識の専門性を持つ企業研究者の一人として指導を行いました。
「設定したテーマが難しく、当初は二人とも頭を悩ます様子を見せていたのですが、わずか数週間で、マウスを使わず指の動きだけでPCを操作するプログラムを書いて見せるなど、その応用力には驚きました。デジタルネイティブの底力に私自身も刺激を受けました」(加藤さん)
オンラインで実施された「ジュニアプログラミングキャンプ in 静岡」
実社会とつながるプログラミングを
一方、昨年、同キャンプのメンターを務めた菊池和気さんも、加藤さんと同じ部門で農業用UGV(無人走行車)の開発を担当するプログラマー。小学生の時に図鑑で見つけた遠隔操作できるブルドーザーに心を動かされ、以来、産業の自動化の夢を膨らませてきました。「ワンクリックで作物の育成や収穫ができるようになれば、人間の能力や可能性を拡げることにもつながる」と、農業現場の自動化に全力投球しています。
自身の原体験を重ねながら、プログラミングの未来を担う人材に向けて菊池さんが与えたテーマは「AR(拡張現実)アプリ」の作成。やはり2名の中高生を担当し、柔軟な発想で、それまでできなかったことをできるようにするものづくりの楽しさを経験してもらいました。
「伝えたかったのは、実世界とのインタラクションです。私たちが仕事で使っている本格的なツールを使いながら、PCの中だけで思考を完結させず、実世界との関係や作用を意識してもらうよう指導を行いました」。そう話す菊池さんもまた、デジタルネイティブのポテンシャルの高さに驚かされたそうです。
当社では、静岡県が行う「ジュニアプログラミングキャンプ」や、小学生のプログラミング全国大会「ゼロワングランドスラム」への協賛、また独自のプログラミング教室等の開催など、さまざまな活動を通じてプログラミング未来人材の育成を積極的に支援しています。
「実世界とのインタラクションを常に意識してほしい」と菊池さん
■広報担当者より
現代のものづくりは、メカニズムとプログラミングによる制御の掛け合わせが不可欠です。私たちの世代がメカに夢中になったように、若い世代にプログラミングに対する探求心を深めてもらうことが、ものづくりの未来を切り拓いていくと信じています。当社では、プログラミングの未来人材を育成するさまざまな取り組みを進めています。