弘前大学(青森県弘前市、学長:福田眞作)教育学部の蒔田純准教授(研究分野:政治学)は9月30日、台湾の台北市立北投文化小学校でオンラインによる出前授業を行った。授業は主権者教育をテーマとしており、アニメーションを使った模擬選挙を実施。小学生らは実際に投票を行うことで選挙の仕組みやその意義について理解を深めた。
蒔田准教授は2019年、選挙をテーマにしたアニメーション「ポリポリ村のみんしゅしゅぎ」を作成。これを用いて国内外の小学校で出前授業を行っており、海外では2022年9月までに7カ国で47回実施している。
台湾での授業は今回が初めてで、同アニメーションの中国語字幕版(中国語タイトル:政治城的民主)を使って行われた。
アニメーションでは村長選挙に2人の候補者(キャンディさんとデイトさん)が立候補し、各々の主張を聞いた上で小学生が実際に投票を行う。あらかじめその後のストーリーが2つ用意され、投票結果によってストーリーが分岐するというインタラクティブな仕掛けが盛り込まれている。
授業は台北市の市立北投文化小学校で行われ、6年4組の22名が参加した。小学生らはアニメーションでキャンディさんとデイトさんの主張を確認した後、グループでディスカッションを行い、実際に投票。結果は15票対7票で、キャンディさんが勝利した。
小学生たちは楽しみながらも熱心に議論し、人生で初めての投票に興奮している様子を見せていた。授業後には「選挙の意義が分かった。早く大人になって投票に行きたい」「自分とは違う意見を持っている人とも話し合うことが大切だと知った」といった意見が聞かれた。
蒔田准教授は「自分たちの生活と政治はつながっていること、自分たちの行動によって社会は変えられることを生徒たちに分かってもらいたい」と授業のねらいを述べ、「民主主義の定着・浸透に向けて、海外での出前授業を続けていきたい」と、今後の意気込みを語った。
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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