ヤマハ発動機株式会社は、完全ベルトレス構造のスカラロボット「YK-XG」シリーズに「YK1200XG」を追加し、専用コントローラ「RCX341」とあわせて2024年10月に発売します。

　「YK1200XG」は、大型物・重量物の組立や搬送に適したスカラロボットで、アーム長1,200mmを備え、最大可搬質量50kgで業界最速レベル*のサイクルタイムを実現しています。
　また、専用コントローラ「RCX341」は、従来の「RCX340」同等のコンパクト設計ながら最大出力電流を増大し、「YK1200XG」の重量物搬送の高速性を安定的に支えます。

　スカラロボット「YK-XG」シリーズは、完全ベルトレス構造によりロストモーションを大幅に削減し、高精度を長期間維持できることが特徴です。また先端回転軸が減速器に直結しておりR軸許容慣性モーメントが高いため、オフセットされたワークでも高速動作が可能です。このたびの「YK1200XG」追加により、アーム長120mmから1,200mmまで、業界トップクラスの幅広いラインアップとなりました。

　なお、9月10日（火）～13日（金）、東京ビッグサイトで開催される国内最大級の物流機器・設備の展示会「国際物流総合展2024」に「YK1200XG」と「RCX341」を出展しています。
※アーム長1,200mmのスカラロボットにて。2024年9月現在ヤマハ発動機調べ。標準サイクルタイム0.92sec（可搬質量40kg）


〈市場背景〉
　当社は、自動化生産ラインに用いるリニアコンベア、単軸ロボット、スカラロボット、ビジョンシステム、コントローラなど幅広い製品を展開する「総合小型ロボットシステムサプライヤー」です。豊富なラインアップを活かして、複雑・多様・高速化する生産現場での効率化・品質向上を追求し、お客さまの多様なニーズにベストソリューションでお応えしています。
　なかでもスカラロボットの製造販売は1984年に開始して以来、市場に鍛えられながら、高速・高精度の性能追求と同時に低価格化にも取り組み、普及に努めてきました。
　今回、導入する「YK1200XG」は、電動モビリティの台頭により昨今、世界的に増加している車載電池（バッテリー）製造工程の需要に応えるものです。そのため、車載電池製造・組立搬送ラインで最も使用頻度の高い可搬質量20～50㎏に適した高い動作性能とコストパフォーマンスを両立させました。

〈「YK1200XG」の主な特徴〉
◎高速性
　「YK1200XG」は、アーム長1,200mm・最大可搬質量50kgのスカラロボットとして、業界最速レベルの標準サイクルタイムを実現しています*。この標準サイクルタイムに加えて、実用域でのタクトタイムも重視。減速比やモータ最高回転数の見直しなどにより、当社従来機種に比べて最高速を大幅に向上するほか、先端回転軸が減速機に直結した構造により、減速機とベルトからなる一般的な構造よりもR軸許容慣性モーメントが圧倒的に高く、オフセットされたワークでも高速動作を可能にしています。
※アーム長1,200mmのスカラロボットにて。2024年9月現在ヤマハ発動機調べ。標準サイクルタイム0.92sec（可搬質量40kg）

◎高剛性を実現する内部構造
　ZR軸ダイレクトカップリング構造により完全ベルトレス構造を実現しています。ベルトレス構造によりロストモーションを大幅に削減。また、ベルトの破損、伸び、経年劣化の心配をすることなく長期間メンテナンスフリーで使用可能です。

〈「RCX341」の主な特徴〉
◎高出力でコンパクト設計
　ハイレベルな設備構築が実現できる高度な機能性が特徴の「RCX340」をベースに、コントローラ内部の構成およびインバータ回路を見直すことにより、筐体サイズはW355mm×H195mm×D130mmとこれまでと同じながら、最大出力電流をアップ。重量物搬送の高速性を支えます。
　また制御盤内への設置を考慮し、回生ユニットもW80mm×H195mm×D130mmと高さと奥行きをコントローラとそろえました。

〈「YK1200XG」のアプリケーション例〉