―総額6,200万ドルの投資枠を新設し、欧州の投資拠点を通じたスタートアップ投資を本格化―
DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:池田尚志、以下「DIC」)は、センシング、ウェアラブル、ロボティクス、オートメーションを中心とするフィジカルAI*の新規事業創出を加速するため、総額6,200万ドルのスタートアップ投資枠を新設しました。併せて、グローバルでの投資活動を強化するため、スイスのベンチャーキャピタルEmerald Technology Ventures(以下、Emerald社) と戦略的パートナーシップを締結し、包括的な投資支援のもとでスタートアップ投資および協業を本格化します。
*フィジカルAIとは、カメラやセンサーを通じて現実世界(物理空間)を認識・理解し、ロボットや機械が自律的に判断して行動する技術
■ スイスに投資管理子会社を設立
これらの取り組みを進めるため、DICは今春、スイス・チューリッヒにスタートアップ投資を担う投資管理子会社を設立する予定です。スイスは欧州でも有数のイノベーションハブとして知られ、AI、ロボティクス、先端材料などのディープテック領域に強みを持つスタートアップや投資プレーヤーが集積するエコシステムが形成されています。このような環境は、フィジカルAIにおける先端技術の探索や外部パートナーとの協業を進める上で大きな利点があります。また、今回戦略的パートナーシップを結んだ Emerald社はチューリッヒに本社を構えるグローバルVC であり、欧州・北米を中心とした幅広いネットワークと高い専門性を有しています。DICが同一地域に拠点を置くことで、投資候補の探索、現地での情報収集、協業立ち上げまでを、より迅速かつ密に連携できる体制が整います。
■ フィジカルAI:DICの未来成長を支える重点市場
DICが注力するフィジカルAIは、人の動作・感覚・環境をセンシングし、ロボティクスやアルゴリズムによって反応・制御する仕組みで、多様な産業で拡大している成長市場です。ウェアラブルデバイス、スマートセンシング、ソフトロボティクス、自動化ソリューションなどの関連技術は、社会全体の生産性向上や生活の質の向上に寄与する分野であり、DICが長年培ってきたマテリアル技術とも高い親和性を有しています。DICは、こうした価値創出を進めるため、未来の社会課題を先取りし、求められる解決策や価値を社会に直接提示し、その実装を通じて事業化につなげていく「Direct to Society(D2S)」という新たな事業創出の仕組みを推進しています。フィジカルAIにおけるスタートアップとの協業は、まさにこのD2Sアプローチと高い親和性を持つものであり、新たな価値創出を加速する重要な要素となります。
今回のパートナーシップにより、DICはEmerald社が持つ欧州・北米のネットワーク、投資候補の発掘力、投資後の成長支援などの専門性を活用し、スタートアップとの協業立ち上げから成長支援までの一連のプロセスを強化します。
DICは今後5年間で複数社への投資を計画しており、スタートアップの成長支援や協業を通じて、D2Sの仕組みを活かしながら新たな事業機会や将来の戦略オプションの創出を進めていきます。設定した6,200万ドルの投資枠を活用し、フィジカルAIにおける先進技術スタートアップとの連携をさらに深めることで、DICグループの企業価値および社会価値の向上につなげてまいります。
<エグゼクティブコメント>
■ DIC株式会社 代表取締役 社長執行役員 グループCEO 池田 尚志
「当社は長年、素材を通じて社会の課題解決に向き合ってきましたが、その役割は今まさに大きく進化しようとしています。フィジカルAIは、人とテクノロジーの関係をより自然で直感的なかたちへ変革する力を持つ分野です。Emerald社とのパートナーシップは、この領域における世界最先端の知見とネットワークを得るための大きな一歩であり、スタートアップとの共創を通じて、社会に新しい価値を届ける挑戦をさらに加速していきます。D2Sの考え方のもと、未来の人々にとって“なくてはならない技術・体験”を創り出すことを目指します。」
■ Emerald Technology Ventures マネージングパートナー兼CEO Gina Domanig 氏
「DICとのパートナーシップは、次のイノベーションの波が“人の知見”と“知能的なシステム”をシームレスに統合するテクノロジーによって牽引されるという、双方が共有する強い確信に基づくものです。フィジカルAIの真の可能性は、人に取って代わるのではなく、人と並走し、人の能力を拡張するテクノロジーにあります。Emeraldは、DICが先進的なスタートアップを発掘・投資・協業していくプロセスを支援することで、新たなAIイノベーションを実践的で人を中心に据えたソリューションへと転換し、DICの長期的な事業進化を後押ししていきます。」
以上
-Emeraldについて
Emerald Technology Ventures は、2000年にスイス・チューリッヒで設立された、産業・マテリアル・クリーンテック領域に強みを持つ独立系ベンチャーキャピタルです。欧州・北米・アジアに拠点を構え、スタートアップの発掘から投資、成長支援まで一貫した実績を有しています。特に、センサー、ロボティクス、先端材料、産業DXなどの分野で豊富な知見とグローバルネットワークを持ち、企業とのオープンイノベーション支援にも定評があります。DICとはこれまでファンド出資や共同調査を通じて信頼関係を築いており、今回のパートナーシップにより、より深い協業体制を構築します。
同社ウェブサイト:https://emerald.vc/
-DIC株式会社について
DICは日本で有数のファインケミカルメーカーです。DICを中心に世界全体でSun Chemical Corporationを含む約170の子会社によってグループが構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高は1兆円を超え、世界全体で21,000名以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。
詳しくは、https://www.dic-global.com/ をご覧下さい。