日本人の約10人に1人が抱える ”片頭痛” に関する 「大規模横断的疫学調査」 結果発表/17,071例の調査結果から、頭痛に耐える・我慢する日本人の実態が明らかに

診断、診察、治療パターンに関する過去最大規模の観察研究結果と、
国際間比較研究結果により、新たに浮き彫りとなった日本の現状

<調査結果のポイント>
・ 1ヵ月あたりの頭痛日数が15日以上の患者は、労働遂行能力が49.9%に低下していたが、
 片頭痛を理由に仕事を休んだ時間は全労働時間のうち6.2%であった。
・ 片頭痛の負担は1ヵ月あたりの頭痛日数が15日以上の群で最も大きかったが、0~3日の群でも、
 日常生活への支障度は大きく、労働生産性及びQOL低下に及ぼす影響が大きかった。
・ 回答者の3分の1(36.5%)が、片頭痛の治療を求めることを躊躇していた。
・ 国際平均では片頭痛患者の64%が日常生活において軽度以上の支障を報告したが、
 国別でみると日本は46%に留まった


日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下「日本イーライリリー」)は、日本に居住しておりかつ片頭痛の診断基準(ICHD-3)に該当するもしくは1年以内に頭痛発作を経験しかつ医師による片頭痛の診断を受けたことがある成人を対象に、日本における片頭痛の診断状況、治療パターン、及び治療の妨げに関して、記述的に評価することを目的とした調査を実施し、その結果について、11月21日、第49回日本頭痛学会総会で公表しました。本調査結果から、片頭痛の負担は頭痛頻度が高い患者のみならず、低い患者においても日常生活への支障をもたらしており、労働生産性の損失やQOLの低下といった影響があることがわかりました。

■調査目的
国際頭痛分類基準 (ICHD) 第3版の片頭痛の診断基準を満たす日本における片頭痛の診断状況、治療パターン、 及び治療の妨げに関して、記述的に評価すること。
1. 片頭痛における負担
2. 医療資源の利用
3. 急性期治療薬の使用
4. 予防治療薬の使用
5. 片頭痛に対する許容度や認知度、スティグマ

■調査概要
・調査名:
ObserVational survey of the Epidemiology, tReatment and Care Of MigrainE: OVERCOME (Japan)
日本における片頭痛に関する横断的疫学調査:片頭痛の疫学,治療,ケアに関する観察研究

・調査対象:
日本に居住しており、かつ片頭痛の診断基準(ICHD-3)に該当する、もしくは1年以内に頭痛発作を経験し、 かつ医師による片頭痛の診断を受けたことがある成人(片頭痛群)および、片頭痛の診断基準に該当しない成人(コントロール群)

・調査時期:2020年7月~9月

・調査項目:
背景情報、健康状態、治療薬の利用、片頭痛発作の頻度/重症度、片頭痛の臨床的特徴、医療資源の利用、 治療への障壁、スティグマ、QOL、片頭痛における負担、労働生産性

・調査方法:横断的インターネット調査

本邦にて実施された本調査には、片頭痛の症状がある17,071人(平均年齢 41歳、男:女=33.5%:66.5%、ICHD-3診断基準を満たした人の割合:82.2%)が登録し、過去3カ月における月あたりの平均頭痛日数は以下の通りでした。





本調査アドバイザーである日本頭痛学会 代表理事、獨協医科大学 副学長 平田幸一先生は次のように述べています。

「片頭痛は、社会からは『ただの症状としての痛み』という誤解を受けることが多く、患者さんは周囲から正しくその辛さを理解されづらい環境にあります。本調査の結果より、片頭痛によって仕事に影響があるにもかかわらず、我慢して働き続ける日本人の現状が明らかになりました。プレゼンティズムの高さから、片頭痛当事者の人生への損失も大きく、労働生産性の損失が職場で見過ごされていることが、社会全体で十分に認知されていないという現状は社会における大きな課題です。」

また、当事者である佐藤ちか氏(仮名)は次のように述べています。

「中学生の頃より片頭痛に悩まされてきました。これまで、『片頭痛をもっているから、仕方がない』と、友達との関わりや、挑戦したかった職業など、色々なことを諦めてきました。
子育てが落ち着いてきたここ数年は、仕事を早退したりせず、『普通に働きたい』と思うようになり、自分の考え方を変え、片頭痛のことを周りに伝えるようにしています。今では職場の仲間も私の片頭痛のことを理解してくれて、とても働きやすくなりました。
今になって思うのは、早く周りに辛さを伝えていればよかったということです。においが片頭痛につながることや、しんどい時間帯など、私の症状の特徴を伝えていれば、周りの人も片頭痛のことをわかってくれたのではないかと思います。これから社会全体で、片頭痛が正しく理解されることを願っています。」

日本イーライリリーでは、今後も片頭痛とともに生活される人々に寄り添い、大切な日や思い描く日常を安心して実現できるよう、貢献してまいります。


片頭痛患者さんの声を ”見える化”
社会への片頭痛啓発Webコンテンツ『ヘンズツウかるた』 本日公開
https://www.henzutsu-karuta.jp
監修:富士通クリニック 頭痛外来/富士通株式会社 本社産業医 五十嵐久佳先生


・片頭痛についての疾患啓発サイトを公開中
片頭痛.info (https://www.henzutsu.info
監修:獨協医科大学 副学長 平田幸一先生



<片頭痛に関連する弊社プレスリリース>
※製品に関するプレスリリースはこのリストには含まれておりません

・有志企業・団体、自治体、医療従事者、健康経営専門家が共同で取り組む「“みえない多様性”に優しい職場づくりプロジェクト」“みえない多様性”とニューノーマルの職場環境を考える啓発ツールを開発― 健康経営の新たな視座:片頭痛事例から紐解く ―
https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-50_co.jp.pdf
2020年11月18日配信

・2月22日は「頭痛の日」片頭痛に関する職場での患者さんと周囲の意識調査結果を発表 仕事に支障が出る痛みを我慢して勤務を継続している人は9割 体調に合わせた働き方の支持も高く、片頭痛へのさらなる理解が必要
https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-03_co.jp.pdf
2020年1月29日配信

・日本イーライリリー、「ヘンズツウ部」を発足 片頭痛の理解を促進し、働きやすい環境を整備~見えない痛みにやさしい職場づくりを目指し、他の企業にも知見を提供~https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2020/20-02_co.jp.pdf
2020年1月29日配信

・片頭痛に関する本邦での大規模横断的疫学調査結果発表 17,071例の調査結果から、片頭痛症状をもつ人の42.6%は医療機関を一度も受診していないことが明らかに
https://news.lilly.co.jp/PDFFiles/2021/21-24_co.jp_.pdf
2021年5月24日配信

■片頭痛とは
片頭痛は、男性の3.6%、女性の12.9%が抱える神経性の疾患*1で、頭の片側もしくは両側に中等度から重度の強さの痛みが4~72時間持続すると共に、随伴症状として、悪心や嘔吐、光過敏、音過敏を伴うことが典型的とされます。日常生活上の支障を抱えながら過ごす負担はさまざまな病気の中で2番目に大きいといわれています*2
*1:Sakai F. et al, Cephalalgia. 1997;17:15-22
*2:GBD 2017 Non-Typhoidal Salmonella Invasive Disease Collaborators. Lancet Infect Dis. 2019; https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28919117/


■日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。 https://www.lilly.co.jp

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この企業の情報

組織名
日本イーライリリー株式会社
ホームページ
https://www.lilly.co.jp/
代表者
シモーネ トムセン
資本金
1,277,250 万円
上場
非上場
所在地
〒651-0086 兵庫県神戸市中央区磯上通5-1-28LILLY PLAZA ONE BLDG.
連絡先
078-242-9000

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