~ 日産化学とそばじまクリニックの再生医療に関する共同研究について ~
日産化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 取締役社長:八木 晋介、以下「当社」)は、医療法人再生会そばじまクリニック(本院:大阪府東大阪市、理事長 院長:傍島 聰、以下「そばじまクリニック」)との共同研究において、当社が開発したCellhesion®-MSにより培養した脂肪由来間葉系幹細胞(Ch-ADSCs)を用いた変形性膝関節症(OA)に対する臨床研究を2023年5月に開始しましたのでお知らせします。
そばじまクリニックによる、変形性膝関節症を対象とする脂肪組織由来幹細胞の臨床研究「三次元的に製造した脂肪組織由来幹細胞を用いた変形性関節症治療」は2023年5月9日に、厚生労働大臣によって受理されました(jRCT公開システム)。これに基づき、同日より臨床研究が開始されました。
本臨床研究では、患者様の脂肪組織から採取した脂肪由来間葉系幹細胞(ADSCs)を当社が開発したCellhesion®-MSを用いて培養し、この培養により得られたCh-ADSCsをOAの患者様に移植し、 その安全性を確認することを目的としています。
Cellhesion®-MSで培養したCh-ADSCsは、通常の培養皿内で平面培養された間葉系幹細胞と比較し、病巣部・損傷部への集積能や抗炎症作用、血管新生能などが向上していることが判明しており、OA治療に対して、より高い効果を発揮することが期待されます。
当社は、今後もそばじまクリニックとの協力体制の下で自由診療における再生医療へのCh-ADSCs適用検討を推し進めていきます。更には、大量培養への適用が可能なCellhesion®-MS細胞製法を用いた細胞医薬品の製造コスト削減から医療費削減に貢献していきます。
Cellhesion®-MSとは
天然系多糖類をベースとした培養足場材であり、細胞培養用の培地に添加すると、培地のなかに浮遊した綿状の足場を形成。そこに細胞が接着することで生体内に近い環境で効率よく増殖し、細胞塊(スフェロイド)が形成されます。この特異的な細胞増殖の仕組みと素材の特長が相乗効果を発揮することで、細胞自体の機能が向上し、高い治療効果を発揮する事が期待されます。
変形性膝関節症(OA)とは
靱帯や軟骨の変性・断裂が引き起こされることで関節に緩みが生じ、関節内の滑膜組織の炎症が持続、関節液過剰滞留や関節痛といった症状を繰り返し、周囲の筋肉や腱の劣化も引き起こしながら関節機能が低下、関節の変形をきたす疾患です。治療には投薬や運動療法などの保存療法と、人工関節置換術などの手術療法に大別されますが、新たな選択肢として多血小板血漿(PRP)療法や幹細胞移植術が広がり始めています。これらの治療は保存療法と手術療法の中間に位置し、低侵襲な治療法としてその効果が確認されてきていますが、最近では更に効果の高い治療法が求められてきています。
そばじまクリニックについて
整形外科領域を中心に2016年より幹細胞移植を始めとする様々な再生医療を提供しています。また、2018年には細胞培養加工施設を開設し、細胞の採取から加工、移植までの一連の工程を全て自施設内で完結させる体制を構築しています。これまでにも複数の企業・大学と連携し、基礎から臨床までの幅広い研究開発に携わっており、それらの成果を科学論文や関連学会で報告するなど、精力的な活動を行っています。(
https://soba-cli.com/)
日産化学について
「社会が求める価値を提供し、地球環境の保護、人類の生存と発展に貢献する」という企業理念のもと、これまで培ってきたコア技術を駆使し、新製品の開発、新事業の創出にまい進しています。企画本部では、情報通信分野、環境エネルギー分野、ヘルスケア分野において当社の将来の柱となる新材料・新事業を創出することをミッションとしています。独自性の高い新規シーズの特性を明らかにしながら、市場ニーズを捉え、顧客ニーズに合う新材料の実需化を進めております。(
https://www.nissanchem.co.jp/)
日産化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 取締役社長:八木 晋介、以下「当社」)は、医療法人再生会そばじまクリニック(本院:大阪府東大阪市、理事長 院長:傍島 聰、以下「そばじまクリニック」)との共同研究において、当社が開発したCellhesion®-MSにより培養した脂肪由来間葉系幹細胞(Ch-ADSCs)を用いた変形性膝関節症(OA)に対する臨床研究を2023年5月に開始しましたのでお知らせします。
以上