シエンプレ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:佐々木 寿郎)は、一般社団法人デジタル・クライシス総合研究所(住所:東京都渋谷区、所長:佐々木 寿郎、以下「デジクラ総研」)と共同で、2023年8月1日~8月31日に発生したネット炎上についての件数とその内訳の分析結果を公開しました。
○資料ダウンロードページ
https://www.siemple.co.jp/document/enjou_report_202308/
■調査背景
2023年1月31日、デジクラ総研はソーシャルメディアを中心とした各種媒体とデジタル上のクライシスの特性、傾向と論調を把握するために「デジタル・クライシス白書2023」(調査対象期間:2022年1月1日~12月31日)を公開しました。継続調査の結果報告として、今回2023年8月に発生した炎上事案を、新たに分析しています。
投稿内容に「炎上」というキーワードを含む1,851件の投稿から188件の炎上事案を抽出(※)。炎上の原因となった問題行動の主体、問題行動の内容、炎上を起こした企業の業種などの切り口から傾向を分析しました。
※デジクラ総研では「炎上」の定義を、「企業や団体、個人が発言した内容、行った行為がSNSやWebメディア上に掲載・拡散され、それに言及した批判や非難の投稿が100件を超えた場合」としています。(投稿数についてはオリジナル投稿のみを計上。コメントのない再投稿は含みません)
○「デジタル・クライシス白書2023」は以下のURLからダウンロードをリクエストできます。https://www.siemple.co.jp/document/hakusho2023/
■調査の概要
調査期間:2023年8月1日~8月31日
調査対象:X(旧Twitter)、Facebook、Yahoo!ニュース、Amebaブログ、FC2ブログ、Yahoo!知恵袋、5ちゃんねるなど、SNS媒体と炎上拡大の要因になりやすいとデジクラ総研が判断した媒体への投稿
調査方法:デジクラ総研ソーシャルリスニングツールを使用
分析対象投稿数:1,851件
うち炎上事案数:188件
■調査結果トピックス
・8月の炎上事案は188件でした。前月に比べ、68件増加しています。
・炎上事案の原因となった問題行動の主体別の内訳では、「著名人」60件(31.9%)、「法人等」51件(27.1%)、「一般人」77件(41.0%)という結果でした。
・前月7月と比較し、「著名人」は23件、「一般人」は45件増加しています。「法人等」は前月と同一の件数(51件)でした。
・割合については、前月と比較すると「著名人」の割合(30.8%→31.9%)はほぼ横ばい、「一般人」の割合(26.7%→41.0%)が増加し、「法人等」の割合(42.5%→27.1%)が減少しています。
・なお2022年全体の炎上事案の主体の割合は、「著名人」が35.2%、「法人等」が35.4%、「一般人」が29.4%とそれぞれの割合が約3割ほどでほぼ均等でした。それと比較すると、23年8月は「一般人」の割合が高い結果でした。
・「一般人」が主体となった事例については、一般ユーザーがSNS上で行った投稿の内容に対して批判が集まった事例、音楽イベント中における観客の不適切行為が話題になった事例などがありました。
・前年同月比では、炎上事案発生件数は80件増加しています。「著名人」が22件、「法人等」が15件、「一般人」が43件増加しました。
・炎上の原因となった問題行動188件のうち、171件(91.0%)が「不適切と判断される可能性のある発言・行為」に該当し、「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為」は17件(9.0%)と少数でした。
・前月と比較すると「反社会的行為や規則・規範に反した行為(の告白・予告)。法律に抵触する可能性のある行為」の割合(14.2%→9.0%)が減少しています。
・問題行動の主体のうち、「法人等」に該当する炎上51件を業界ごとに分類しました。炎上事案が多かったのは「娯楽・レジャー」業界で、21件(41.2%)という結果でした。
・問題行動の主体が「法人等」の場合について、上場企業か否か、また、それぞれの従業員数について分析しました。上場区分に関して「上場企業」5社(13.2%)、「非上場企業」33社(86.8%)という結果でした。
■分析コメント/ブロガー 徳力基彦 氏
今年の8月は7月に比べて炎上件数が大幅増加する結果になったようです。
ここ数年の炎上件数増加は、コロナ禍による社会的雰囲気の悪化が影響しているという分析もありましたが、残念ながらそういうことではないようです。
特に一般人の炎上件数が増加しているというのは、告発系アカウントの影響力が増し、一般人の問題行為の告発や拡散のサイクルが早くなっている可能性を示唆しています。
炎上対象が一般人であっても、その炎上行為の影響が企業に伝播するリスクもあります。
炎上を起こさないことよりも、炎上にどう対応するかの方が重要な時代になりそうです。
■調査結果詳細
・抽出したデータは表1に基づき分類。
・問題行動の主体が「法人等」の場合、表2に基づき20の業界に分類。
・表2に該当しない業界に関しては「その他」としてデータを処理。
・各グラフにおける割合については、全て小数点以下第2位を四捨五入。
(表1)