子どもの「幸せ実感」にかかわる要因を多角的に分析
保護者や友だちとの関係、学校生活や学びの状況、自己認識など多くの要因が関連
東京大学社会科学研究所(所在地:東京都文京区、総長:藤井 輝夫)と株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、代表取締役社長:小林 仁)の社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、2014年に「子どもの生活と学び」の実態を明らかにする共同研究プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、同一の親子(小学1年生から高校3年生、約2万組)を対象に、2015年以降9年間繰り返して複数の調査を実施し、12学年の親子の意識・行動の変化を明らかにしてきました。
今回の分析では、子どもの「幸せ実感」に関連する要因を多角的に検討しました。OECD(経済開発協力機構)は「Education2030」のなかで、これからの教育が果たすべき目標として「個人と集団のウェルビーイングの実現」を掲げています。また、2023年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」では、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が教育政策の方向性の一つに示されました。そのような背景を踏まえて私たちは、子どもの「幸せ実感」――「今、幸せ」「将来、幸せになれる」と感じているか――に着目した分析を行いました。その結果、子どもの「幸せ実感」には、保護者自身の幸せ実感や子どもへの働きかけが関連していることがわかりました。また、学校生活の状況や友だち関係、学びの状況、自信などの自己認識も、「幸せ実感」と関連する重要な要因であることが明らかになりました。このように、子どもの「幸せ実感」は多様な要因と関連しています。本プロジェクトでは今回の分析をひとつのきっかけにして、子どもやその保護者が幸せと感じられる社会を実現するためにできることを、多くの方々とともに考えていきたいと思います。
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