【ニュースレター】“モノづくりの聖域”をアイデア創出の場として有効活用へ

ヤマハ発動機株式会社

~歴史製品の復元施設を社員向けに開放。技術者やデザイナー、製品開発の着想に~

豊岡レストアルームの屋外テラス。この日はサウンド開発チームのリクエストを受け、往年の名車たちのエンジンを始動

次の感動を生み出す「温故知新」空間
 「社内各部門の業務やエンゲージメントの向上に、この施設の資産を役立ててほしい。ですから持ち込まれた相談・要望には、できる限りお応えするスタンスで迎え入れています。来訪テーマをしっかり持って、アイデアの創出や課題の解決につなげてもらえたら嬉しいですね」。豊岡レストアルームのマネージャー、谷口義則さんはそう話します。
 当社の企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」には、常時50台以上の歴史製品が展示され、来館者の目を楽しませています。それら歴史製品のほぼすべては、このレストアルームで熟練技術者の手によって蘇り、「工場出荷状態に復元・保存」(谷口さん)されています。「コミュニケーションプラザ」では展示車両の入替を定期的に行っており、現在、ここには1950~2000年代までの市販モデルやレーシングマシンなど、展示やデモの出番を待つ約200台が入念な手入れを受けながら管理・ストックされています。
 「今年だけで、約40組・のべ200人以上のグループ従業員の訪問がありました。二輪車製品の設計者やデザイナーなどがここに来て、先人たちの知恵や情熱に刺激を受けながら、新たな発想を生み出したりしています」(谷口さん)
 
レストアルームには、整備室のほか、復元された歴史製品を見学できる展示エリアも


人間中心のモノづくり。その伝承を目指して
 この日、レストアルームを訪れていたのは、二輪車実験部門でサウンド開発に取り組むエンジニアの皆さんです。半世紀以上前のサウンドをそのまま再現できるのも、すべての車両が動態保存されているからこそ。当日はヤマハ初の2気筒125㏄スポーツモデル「AS-1D」(1967年)や、2ストローク・V4エンジンを搭載した伝説の「RZV500R」(1984年)など、かつて多くのファンを虜にした複数モデルのサウンドを若手エンジニアたちが耳に刻みました。
 「どんなお客さまにどんな喜びを提供したいのか、そのキャラクターを音が伝えていると感じました。素直な音、活力のある音といった点で、気づきがありました」という感想や、「サウンドの変遷は、各種規制対応の歩みでもあったと思います。さまざまなレギュレーションに対して、感性や工夫で向き合ってきた先輩技術者たちに思いをはせました」等、それぞれが未来に向けた仕事の糧をしっかり持ち帰った様子です。
 そうした姿を笑顔で見守りながら、時折、豊富な知識で的確な助言を行う谷口さん。「ヤマハの個性は人間中心のモノづくり。人と機械が接するポイントには、ヤマハならではのこだわりがあります。それは製品を眺めるだけでは理解できないこと。ですからこの施設の使命の一つとして、またがったりエンジンを始動することで、ヤマハ発動機のモノづくり文化の伝承に貢献していきたいと思います」と話してくれました。
 
来訪者をガイドする谷口さん。レストア作業の過程で発見した設計上の工夫など、
ゲストの目的に応じた解説を心がけているそう

■広報担当者より
今回来訪したサウンド開発チームの年齢幅は広く、「キック始動は初めての経験」、「2ストロークエンジンを回したのも初めて」という若い世代の技術者も。排出ガスや騒音に関する規制が未整備だった時代の奔放なサウンドに、少なからず何らかのインスピレーションを抱いた様子でした。なお、豊岡レストアルーム見学は当社グループ社員を対象にしています。一般には開放しておりません。

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