日本工業大学を含む埼玉県内の4大学は、平成24年より文部科学省「大学間連携共同教育推進事業」選定取組、「彩の国連携力育成プロジェクト」を実施している。来年度が補助事業期間の最終年度であり、総括の時期を迎えた。
「彩の国連携力育成プロジェクト」は、平成24年度文部科学省「大学間連携共同教育推進事業(地域連携)」の選定を受け、埼玉県内に所在する埼玉県立大学(代表校)、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学(連携校)の4大学が進めている取り組み。
4大学の学生が各大学で専門的な知識・技術を身につける一方で、地域住民の質の高い暮らしの実現に向けて地域住民や他の専門職とつながり合う力、すなわち「連携力」を高めるための専門職連携教育(IPE)の科目を共同で開発・実施することが目的である。
保健医療福祉分野における専門職連携教育は近年盛んに行われているが、病院や施設内に留まらず地域住民や地域の暮らしを視野に入れ、地域をフィールドとして展開する地域基盤型IPEを志向している点、日本工業大学の参画により工学分野との連携を視野に入れている点が本プロジェクトの大きな特徴である。
これまで4大学の学生が「連携力」を高めるための連携科目の共同開発・共同開講を進捗させてきた。具体的には、以下の5つの科目を「彩の国大学連携科目」として設定し、各大学で共通の学びができるための教材開発、4大学の学生が同じ場所でともに学ぶ実習の試行などを進めてきた。また、その取り組みの有効性を確認してきた。
1)「ヒューマンケア論」 2)「ヒューマンケア体験実習」 3)「IPW論」 4)「IPW演習」 5)「IPW実習」
上記の科目はもともと埼玉県立大学で全学必修とされている科目である。連携大学においては、それぞれの教育内容や教育プログラムへの適合を踏まえつつ、科目の新設や既存科目の改変によって各大学の学生が「彩の国大学連携科目」の内容を学べるようにカリキュラムの再編を計画・実施している。各大学の実情に合わせながらも共通の学びが得られるように、「彩の国大学連携科目」の各科目および全体で学生が身につけるべき能力の項目化・言語化も4大学共同で進めてきた。
日本工業大学では生活環境デザイン学科が中心となって本プロジェクトに参画しており、平成28年度以降入学の同学科学生は「彩の国大学連携科目」を導入した新カリキュラムで学ぶこととなる。「心地よい室内空間を創造するデザイナー、高齢者に優しい住環境を実現できるエキスパート」の育成をめざす当学科のカリキュラムポリシーに沿った教育プログラムの拡充が実現する。
このように「彩の国連携力育成プロジェクト」は、事業の目的を果たしつつある。来年度は、補助事業期間の最終年度をむかえ、その成果を総括して教育モデルを提示することと、プロジェクトを継続・発展させるとともに成果を地域に還元するための体制整備に注力する予定。
※「彩の国連携力育成プロジェクト」の正式名称は、「彩の国大学連携による住民の暮らしを支える連携力の高い専門職育成」。科目名に含まれるIPWは「専門職連携実践(Interprofessional Work)の略。
▼本件に関する問い合わせ先
日本工業大学 総務部広報室
埼玉県南埼玉郡宮代町学園台4-1
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E-mail: kouhou@nit.ac.jp
【訂正】タイトルに「保健医療福祉分野」とあるのを、「保健・医療・福祉・工学分野」に変更しました。(2016/03/28 14:45)
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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